• 伊東競輪場開設65周年記念椿賞争奪戦12/12〜12/15

後記 GⅢ 伊東 12/12

深谷知が完全復活

深谷知広

深谷知広

 大外を豪快にまくり直線外を伸び切った3深谷知広選手が、番手まくりの6和田真久留選手をも飲み込みV。10度目のG3制覇を果たして、ファンの声援に応える3深谷選手。

 「今年はキツかったですね。この経験を来年に生かせれば。ちょっと先が見えてきました」
 今年は長いスランプに苦しんだ深谷だが、今回の優勝で光が差し込んできた。5年連続のグランプリ進出を逃し、今年初優勝も10月大垣記念と例年になく遅くなった。それでも今回のようなスピードさえ発揮できれば、輪界トップクラスなのは誰もが知るところだ。
 「いやー、もうちょっと前にいたかったんですけど。ちょっと迷った部分もありました。それでも柴崎さんがまくれば勝てるって言ってくれてましたし。ワッキー(脇本)がいって展開も向きました。かなりハイペースでしたけど、このタイミングしかなかったです」
 競輪祭後には体を壊したが、それが良い方向にも向いた。準決後には「直前も良い練習ができました。明日もしっかりと自分の走りをします」と自信も回復していた。そして決勝でも自分の走りができた。
 「とりあえず来年はG1の優勝をするだけ」
 平成の怪物がここ伊東から完全復活の狼煙をあげた。
 万全の態勢で和田の記念初優勝はすぐ手が届くところにあった。しかし深谷のまくりによって優勝は泡と消えた。
 「(深谷を)最後は見ちゃいました。仕掛けは焦らずいけたし、脇本さんを引き付けながら上手く出て行けたと思ったんですけど。(深谷の)あれはもう。半分叩き合いのような形でのまくりにもなりましたし。優勝したかったです」
 伊東記念初優勝を狙った地元の渡邉は3着に。だが納得の表情で振り返った。
 「強いですね、深谷が。すごいですよ。それでも前の2人の気持ちはすごい嬉しかったです。一番嬉しい3着ですね。良い若手も出てきてますし、南関の結束も見せられたんで満足です」
 グランプリ前最後のレースとなった村上は6着。
 「脇本が真っ向勝負でいってくれたんで。結果いききれなかったのは向こうの方が上だった。現状は前検とかで言った通りです」
 脇本は競輪祭のあとW杯に参戦と、連戦続きだったが持てる力は出し切った。
 「村上さんとワンツー決めるには、あそこでいくしか。様子を見すぎると深谷にまくりうたれるし。かぶる前にいくしかなかった」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 萩原孝之

 号砲が鳴ると北の2人が飛び出し、菅田が誘導の後ろを取る。初周は菅田―内藤、深谷―柴崎、脇本―村上、郡司―和田―渡邉で並ぶ。
 淡々と周回が進むと、青板手前から郡司が早めに上昇していき、バックで誘導を下ろして先頭に立つ。車を下げた菅田が中団にこだわり4番手に収まると、脇本は引いて6番手に入り、深谷は8番手に。郡司は何度も後ろを警戒したのち、赤板から全開でフカして逃げる。打鐘が入り、郡司が決死の先行で飛ばしていくと、ホームから脇本が反撃を開始。すると、和田が1センターから番手まくりを敢行した。脇本がジリジリと迫り両者で踏み合うなか、深谷が後方から襲い掛かる。脇本は2センターで力尽きるが、その外を深谷が猛然と迫ると、勢いそのまま直線で鋭く突き抜けた。和田、渡邉の南関勢がそれぞれ2、3着となった。

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