深谷知が完全復活
「今年はキツかったですね。この経験を来年に生かせれば。ちょっと先が見えてきました」
今年は長いスランプに苦しんだ深谷だが、今回の優勝で光が差し込んできた。5年連続のグランプリ進出を逃し、今年初優勝も10月大垣記念と例年になく遅くなった。それでも今回のようなスピードさえ発揮できれば、輪界トップクラスなのは誰もが知るところだ。
「いやー、もうちょっと前にいたかったんですけど。ちょっと迷った部分もありました。それでも柴崎さんがまくれば勝てるって言ってくれてましたし。ワッキー(脇本)がいって展開も向きました。かなりハイペースでしたけど、このタイミングしかなかったです」
競輪祭後には体を壊したが、それが良い方向にも向いた。準決後には「直前も良い練習ができました。明日もしっかりと自分の走りをします」と自信も回復していた。そして決勝でも自分の走りができた。
「とりあえず来年はG1の優勝をするだけ」
平成の怪物がここ伊東から完全復活の狼煙をあげた。
万全の態勢で和田の記念初優勝はすぐ手が届くところにあった。しかし深谷のまくりによって優勝は泡と消えた。
「(深谷を)最後は見ちゃいました。仕掛けは焦らずいけたし、脇本さんを引き付けながら上手く出て行けたと思ったんですけど。(深谷の)あれはもう。半分叩き合いのような形でのまくりにもなりましたし。優勝したかったです」
伊東記念初優勝を狙った地元の渡邉は3着に。だが納得の表情で振り返った。
「強いですね、深谷が。すごいですよ。それでも前の2人の気持ちはすごい嬉しかったです。一番嬉しい3着ですね。良い若手も出てきてますし、南関の結束も見せられたんで満足です」
グランプリ前最後のレースとなった村上は6着。
「脇本が真っ向勝負でいってくれたんで。結果いききれなかったのは向こうの方が上だった。現状は前検とかで言った通りです」
脇本は競輪祭のあとW杯に参戦と、連戦続きだったが持てる力は出し切った。
「村上さんとワンツー決めるには、あそこでいくしか。様子を見すぎると深谷にまくりうたれるし。かぶる前にいくしかなかった」