• 向日町競輪場開設99周年記念平安賞9/29〜10/2

後記 GⅢ 向日町 09/29

稲垣裕が8年ぶり地元制覇

稲垣裕之

稲垣裕之

 9稲垣裕之選手が3脇本雄太選手の番手から直線一気に追い込み、2度目の地元記念Vを達成。ゴール後は1村上義弘選手の祝福を受けながらファンの大声援に応えた。

 地元の牙城は揺るがなかった。近畿ライン3車で出切った時点で勝負あり。地元両者のマッチレースに場内は大きく沸いた。番手を回った稲垣が村上の追撃を振り切り、8年ぶりの地元記念制覇を果たした。
 「周りの抵抗もすごかったけど、脇本君が強かったので、安心して付いていくことができました。村上さんとゴール前勝負を演じさせてくれた脇本君に感謝ですね。吉澤君が4番手で見えていたし、連日の強さからあれ以上待つと自信がなかったので早めに踏ませてもらいました。地元記念は特別な思いがあるので本当にうれしいです」
 これで獲得賞金額は5千万円を超え、2年連続のグランプリ出場に大きく前進した。
 「賞金のことはあまり考えてません。結果でしかないですからね。このあとはG1もあって大事なレースが続くので、気持ちを切らさないようにします」
 悲願のG1制覇へ、進化を続ける稲垣が勢いそのままに突っ走る。
 5度目の地元記念制覇を狙った村上はライン3番手から気迫の中割り勝負。稲垣に詰め寄った。
 「真剣勝負をしました。油断していたら中割りで抜こうと思っていた。早めに車間を切って、内か外か迷っているときに稲垣が前に踏んだので、その差ですね」
 地元の前で迷いなく攻めた脇本は直線で力尽きた。
 「別線の踏み合いは想定外でした。出切るのにけっこうきつかったんですが、僕の仕事は主導権を取ることなんで、何が何でもという思いで行きました。後ろからの気迫がすごくて、最後は気迫負けですね」
 初手から近畿ラインを追った吉澤が地元コンビに続いて確定板に上がった。
 「2番車だったので、最初から近畿の後ろにいこうと決めてました。ワッキー(脇本)のカマシのスピードがすごくて、脚を溜められなかったし、余裕がなかったです。単騎で難しいレースでした」
 正攻法に構えた山崎は打鐘前から阿竹を突っ張って全開で踏んだ。
 「あれしかなかったですね。(阿竹に)斬られたら、そこをワッキー(脇本)に行かれて、後ろになっちゃいますから。単純なレースになるよりはと思って突っ張りました。力不足ですね」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 藤木裕

 号砲が鳴ると内藤が勢いよく飛び出してスタートを取った。そこに山崎を迎え入れ、以下は脇本―稲垣―村上、吉澤、阿竹―三宅、岩本の並びで周回。
 レースは早めに動く。青板の1センターから阿竹が上昇し脇本に並びかけると、脇本は車を6番手に下げる。一旦3番手に収まった阿竹は近畿勢を警戒しながら赤板の1センターで踏み上げる。しかし、前受けの山崎が誘導を降ろして出させない。これを見た脇本は打鐘の2センターから反撃を開始。グングンと加速し、阿竹を突っ張り切った山崎を最終1コーナーで捕らえラインで出切る。初手から近畿勢を追走の吉澤が続き、内藤もバックで吉澤後位にスイッチ。番手の稲垣は車間を切りながら別線の動きに備えると、直線入口で抜け出しを図る。最後は村上とのマッチレースを制し優勝した。近畿勢を追った吉澤は仕掛けられず、そのまま3着に流れ込み。

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