北津留翼9年ぶり記念V
後方でラインができた竹内と坂本がけん制しあう展開になり、赤板から腹をくくって逃げる吉田に村上、北津留、原田が続く思ってもいないレース。北津留はそのときの状況を「村上さんがダッシュよすぎて入られてしまいました。さすが村上さんですね。あとは村上さんに託して付いていっただけ」と振り返った。
「展開に恵まれました。マグレです」と話したが、冷静さが光ったのも事実。
「最後は(村上が)外してたので、昨日(準決勝)の再現みたいにいかせてもらった」と絶妙な仕掛けで優勝を手繰り寄せた。
今開催は前検前日に落車し右手首を負傷。決勝後も「欠場しようかと思った。痛いというか、まだしびれています」と話すなど万全ではなかった。だが初日特選、優秀戦で連係した園田匠が「上半身の力が抜けていた。翼のデキはいい」と話したように、かえって力みが抜けた状態で走れたことが優勝につながった。
「松山以来(の記念V)なんで実感がわかない。競輪祭は誘導です。多分決勝ですね。一番前で頑張ります」と記者を笑わせた北津留。記者に来年の決勝は選手としてと問われ「そうなればいいですね」と北津留スマイルで締めくくった。
吉田の先行に乗った村上は最終2角から番手まくり。竹内のまくりも合わせ切り、優勝は村上かと思われたが、するりとこぼれ落ちた。
「単騎だったし展開が読みにくいレースでした。作戦通りのレースなんてほとんどないですし。あとは競輪祭に向けてしっかり頑張ります」
村上を追って5番手からまくりあげた原田だったが、3着までが精一杯。
「単騎だったし、判断を迷いましたね。あのまま内を突いていればとも思いますけど。でも3着になれてるんで、まあよかった」
好回転でまくっていった竹内は、村上を乗り越えられず5着の結果に。
「力不足でした。それしか言えないですね。いけるかと思ったけど、スピードの維持ができていなかったです。それがダメだった」
腹をくくって先行勝負に出た吉田も6着に沈んでしまった。
「後ろでああなってるのが分かったんで腹をくくっていきました。上手くいけばと思ったんですけど」