• 奈良競輪場開設66周年記念春日賞争覇戦2/2〜2/5

後記 GⅢ 奈良 02/02

根田空が記念初制覇

根田空史

根田空史

 最終2コーナーから番手まくりを放った8根田空史選手が5岡村潤選手の追撃を振り切って記念初優勝。南関の仲間から胴上げの祝福を受けて、歓喜に酔いしれた。

 南関勢の強い団結力が実を結んだ。地元の三谷にGP王者の村上、山崎ら強敵を相手に南関カルテットがレースを支配。根田が絶好の番手回りから力の限りペダルを踏み込んだ。
 「郡司君が本当に強かった。あれだけ行ってくれたので、その気持ちに応えようと思いました。(三谷が)来たのが見えてから踏んだけど、なかなか車が進まなかったですね。けっこうきつかったし、岡村さんも脚があるので最後は勝ったのか分からなかった。南関の結束、チーム力で勝つことができました。まだ記念初優勝の現実味がないですね」
 昨年の秋頃から成績が急降下。大きく点数を落としていたが、前回の松山記念からフレームを換えて気配は一変。今シリーズは初日から強さが際立っていた。
 「松山から練習で使っていたフレームに換えて、自分でもびっくりするぐらい車が進むようになりました。この半年間は何だったんでしょうね」
 スランプを乗り越えた根田の強さは本物だ。今後はビッグ戦線でさらなる活躍が期待される。
 「この流れで全日本(選抜)に出れないのが本当に残念ですね。ウイナーズカップに照準を合わせて、きっちり仕上げていきます。もっと上の舞台で活躍できるように頑張ります」
 番手まくりの根田に続いた岡村が2着。直線で詰め寄ったが、わずかに届かなかった。
 「あんなにうまく決まるとは思わなかったです。南関から優勝者を出そうっていう気持ちでみんなが走れました。それがよかったですね。それにしても郡司君がすごかった。自分は何もしていない。ただ付いていっただけですね」
 郡司は南関勢の先頭で赤板から果敢に風を切った。
 「南関でまとまったので、自分のできることをやろうと思ってました。しっかり自分の仕事はできたし、南関の結束力は見せられたと思います」
 地元の三谷は南関の結束力の前に敗れた。懸命に外をまくり上げたが、3着に入るのが精いっぱいだった。
 「もうちょっと対処のしようはあったと思います。仕掛けないと(優勝は)ないので、流れのなかで仕掛けました。郡司も根田も強いから厳しかった。また次、頑張ります」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 中井太祐

 スタートで北日本勢が出るが、その後ろでけん制状態。村上がようやく追いかける。山崎―内藤で前団。三谷―村上―椎木尾、郡司―根田―岡村―大西。
 郡司は早めに動き出して、青板で三谷に併せ込んでフタをする。三谷がゆっくりと引くと、いったん3番手に収まった郡司が赤板目がけて踏んで主導権を握る。郡司に根田―岡村―大西まで追走。7番手の三谷がすかさず巻き返して打鐘を迎える。三谷は山崎が踏み遅れた中団に入り反撃のタイミングをうかがうが、逃げる郡司の掛かりがいい。番手の根田が車間を空けて、最終ホームを通過する。5番手の三谷が2角からまくって出るが、それと同時に番手の根田も踏み上げる。根田が番手まくりで先頭に立ち、岡村―大西。その上を三谷が迫るも3番手まで。南関両者の勝負は、根田が岡村を振り切って優勝。大西は直線でいっぱいで、3着に三谷が入る。

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