• 玉野競輪場開設66周年記念瀬戸の王子杯争奪戦3/2〜3/5

後記 GⅢ 玉野 03/02

村上義が激戦を制す

村上義弘

村上義弘

 村上義弘選手が今年初優勝で溜飲を下げる。激しくやり合った若手両者をはじめ、9人それぞれが出し切った決勝戦を制し、ウイニングランでは晴れやかな表情を見せた。

 最終ホームから吉田、原田で壮絶なモガき合い。これで内に詰まっていた村上だったが、バックでようやく視界が開けるとすかさず外に持ち出した。早坂、岩津に続こうとした石井を2センターで飛ばすと4コーナーから山おろし。大外を一気に突き抜けた。
 「ほんとに強かったです。意地の張り合いというか、2人が。僕はたまたま自分の流れになっただけ。研太朗が出切ったらその外。吉田が合わせたらこじ開けて行こうと思ってたけど、コースが最後まで見つからなかった。たまたまですね」
 今年は1月和歌山、2月奈良と記念でいずれも決勝に乗ったが勝ち切れず。全日本選抜は準決勝で敗退。「この(チャンピオン)ユニフォームを着てるし、そのなかで自分自身にプレッシャーをかけてきたけど、なかなか結果がともなわないんで、そういうストレスはあった」。今年はここまで歯がゆい思いがつのるばかりだった。それだけにこの優勝で少しは胸のつかえが取れたはずだ。「何とか(記念)1勝できて、とりあえずホッとしています」。次は17日から高松で開催されるウィナーズカップ。そこへ弾みをつける貴重な1勝となった。
 好判断でバックから自力に出た岩津だったが、地元勢最多となる4度目の玉野記念優勝はならなかった。
 「(原田が)いいレースをしてくれました。(後ろで)気配がしたんで行くしかないなと。優秀は合わされたけど、原田君は出切ってくれたんで。僕も何とか見せ場を作れたかな」
 村上マークの金子は3着。ラスト1周のバトル、そして村上の勝負強さにレース後は目を丸くした。
 「もう訳わからん。すごいっすね。バックで村上さんが持ち出せる態勢になって、7番(石井)もいたけど張ってくれたんで。もう少し早く踏めたら2着まであったかな。感じ的にもいい感じだし、また次につなげられるようにですね」
 単騎の早坂にも記念初優勝のチャンスはあった。2コーナーから仕掛けたが、岩津に合わされ5着に。
 「岩津さんのまくりは想定外でしたね。でもしょうがない。岩津さんは脚力あるから。レースは自分のなかで悪くなかったし、悔しいけどしょうがないです」
 若手機動型の主導権争いは見ごたえ十分だった。ラインから優勝者こそ出せなかった原田だが満足げにレースを振り返る。
 「優秀は自分で踏み上げてだったけど、今日は上げてもらってからだったので。出切ったので収穫はあった。次につながったらいいかなと思います」
 主導権争いに敗れた吉田だが、今シリーズは連日気迫あふれる走りを見せた。
 「先行じゃないと勝ち目がないと思ってました。原田さんがすぐ来ましたね。悔しいけど、また練習を頑張って、次頑張ります」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 筒井敦史

 石井がスタートを取り、以下は村上-金子、原田-堤-岩津、早坂、吉田-神山の順で並ぶ。
 レースが動いたのは青板周回の3角から。まずは吉田が上昇し、原田の横で止まってフタをする。そのままで赤板を通過すると、吉田は打鐘を目掛けて踏み上げていき、前を叩いて先頭に立った。合わせて踏んだ村上が吉田の3番手をキープする。すると、原田が早めに巻き返して行き、吉田もこれに反応してトップギアに入れ両者でモガキ合いになった。最終ホームを通過し、2人で踏み合うなか、2角から早坂もスパートすると、さらに岩津も自力まくりを放って勝負に出た。最終バックを過ぎ、主導権争いは原田に軍配が挙がり、早坂、岩津とで力比べとなり4角へ。V争いは3者に絞られたかと思われたが、その後ろから村上が強襲し、直線で外を突き抜けた。地元の岩津は惜しくも2着に終わる。

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