村上義が激戦を制す
最終ホームから吉田、原田で壮絶なモガき合い。これで内に詰まっていた村上だったが、バックでようやく視界が開けるとすかさず外に持ち出した。早坂、岩津に続こうとした石井を2センターで飛ばすと4コーナーから山おろし。大外を一気に突き抜けた。
「ほんとに強かったです。意地の張り合いというか、2人が。僕はたまたま自分の流れになっただけ。研太朗が出切ったらその外。吉田が合わせたらこじ開けて行こうと思ってたけど、コースが最後まで見つからなかった。たまたまですね」
今年は1月和歌山、2月奈良と記念でいずれも決勝に乗ったが勝ち切れず。全日本選抜は準決勝で敗退。「この(チャンピオン)ユニフォームを着てるし、そのなかで自分自身にプレッシャーをかけてきたけど、なかなか結果がともなわないんで、そういうストレスはあった」。今年はここまで歯がゆい思いがつのるばかりだった。それだけにこの優勝で少しは胸のつかえが取れたはずだ。「何とか(記念)1勝できて、とりあえずホッとしています」。次は17日から高松で開催されるウィナーズカップ。そこへ弾みをつける貴重な1勝となった。
好判断でバックから自力に出た岩津だったが、地元勢最多となる4度目の玉野記念優勝はならなかった。
「(原田が)いいレースをしてくれました。(後ろで)気配がしたんで行くしかないなと。優秀は合わされたけど、原田君は出切ってくれたんで。僕も何とか見せ場を作れたかな」
村上マークの金子は3着。ラスト1周のバトル、そして村上の勝負強さにレース後は目を丸くした。
「もう訳わからん。すごいっすね。バックで村上さんが持ち出せる態勢になって、7番(石井)もいたけど張ってくれたんで。もう少し早く踏めたら2着まであったかな。感じ的にもいい感じだし、また次につなげられるようにですね」
単騎の早坂にも記念初優勝のチャンスはあった。2コーナーから仕掛けたが、岩津に合わされ5着に。
「岩津さんのまくりは想定外でしたね。でもしょうがない。岩津さんは脚力あるから。レースは自分のなかで悪くなかったし、悔しいけどしょうがないです」
若手機動型の主導権争いは見ごたえ十分だった。ラインから優勝者こそ出せなかった原田だが満足げにレースを振り返る。
「優秀は自分で踏み上げてだったけど、今日は上げてもらってからだったので。出切ったので収穫はあった。次につながったらいいかなと思います」
主導権争いに敗れた吉田だが、今シリーズは連日気迫あふれる走りを見せた。
「先行じゃないと勝ち目がないと思ってました。原田さんがすぐ来ましたね。悔しいけど、また練習を頑張って、次頑張ります」