新山響平が兄弟ワンツーで地元記念を制す
北日本勢は別線勝負になったとはいえ、新山響平のラインは4車。藤根俊貴を先頭に前後に援軍は充実していた。先月23日には競技での落車もあり、万全の体調での参戦ではなかったが、藤根が主導権を握るとその気持ちに応える番手まくり。猛追してくる渡邉一成らを振り切った。
「藤根や後ろで2人が固めてくれたので。(番手から)ちゅうちょなく出させてもらいました。あんまり2段駆けは好きじゃないけど、藤根が行ってくれてるし、後ろの2人もいるので。師匠(坂本勉)には地元記念はG1と一緒と言われてたし、ホントにうれしい」
決勝戦は番手が響平、3番手が将史と新山兄弟の連係が注目を集めた。「2人で決勝に乗ったことが僕的には奇跡」と話すが、決勝戦では兄弟ワンツーを決めた。
「みなさんのおかげで優勝できた。準決勝でも迷惑をかけてるし、一人で戦ってるんじゃないな。競技とは違うところがある。そこは楽しいし、うれしい優勝だなと思います」
次走は今月29日からのいわき平F1。その前に14日からは全日本選手権に出場する。
「まずはこれで競技に専念して。また明日からしっかり練習したい。競輪でもG1決勝の常連にならないといけないし、自力の部分を磨いて自力で記念を優勝できるように」
ナショナルチームで活動をはじめてから、これで2度目の記念優勝。新山は競技と競輪の両立でさらに自分自身を磨いていく。
新山響平のまくりに口が空いてしまった新山将史だったが、離れながらも追いかけると渡邉一成の追撃をしのいだ。
「3番手という意識が強くて締めとかなきゃと思ったら口が空いた。離れず付いていっても差せてないでしょうね。離れるだろうとは思ってたし、あとはどこまで詰められるかって感じでした。(決勝で兄弟連係)自分的には連係ができた時点で、もっと言うなら同じあっせんがうれしかった。先輩、後輩の頑張りでたまたま恵まれただけ。感謝ですね」
2コーナー、6番手からもう然とまくった渡邉一成だが、前は遠く3着まで。
「遠かったですね。(打鐘前に内をすくって小原太樹の前に)あれはアシストのつもりはなかった。あそこで藤根に行かれたら8、9番手になると思って体が反応した。でもそのあと小原に出られたのが余計だった。山賀(雅仁)が遅れたので、そこ(6番手)をキープして。(伊藤)大志さんに追いついたと思ったら、大志さんも離れてて。だから遠かったです。悔しいです、負けて」
逃げて新山響平の優勝に貢献した藤根俊貴は安どの表情でレースを振り返る。
「完ぺきです。良かったです。小原さんはあのくらい(青板前)で来るかなと思ってたし、あとはどうするか。(小原を)前に出してから行こうと。響平さんもジャストのタイミングでまくってくれた。僕はこのために決勝まで来たので。今まで新山さんは前で頑張ってたので、僕も下が出てくるまでは前で頑張りたい」
小原太樹は打鐘前に渡邉にすくわれてしまったことが痛かった。
「菅田(壱道)さんのG1(8月オールスター決勝)のこともあるんで、1回切っての勝負だった。5番手に引いたところでね。前々に行く自分のスタイルもあるし、地元だろうが遠慮せずに飛び付くつもりだった。難しいですね」