阿部力也が記念初制覇
直近4カ月の競走得点は105点台。S級2班の阿部力也が記念決勝2度目の挑戦で大仕事をやってのけた。
「(ラインの)みんなのおかげです。俺だけ何もしていないような。実感はまだあまりないし、俺でいいのかなっていう気持ちのほうが強いです」
北日本勢の結束力が光った決勝戦。ライン4車の先頭を務めた菅田壱道が突っ張り先行に出たことで阿部に勝機が生まれた。
「自力選手がいいレースをしてくれるので、自分にチャンスが来ていますね。体の状態も脚的にも良くて、展開が向けば勝負ができる状態でした。でも、今回は追い込みとして何もできていないので、次にチャンスがあるときはしっかりとやるべきことをして取れればと思ってます」
この優勝で追い込みとして、大きくランクを上げた。さらなる高みを目指して精進を続ける。
「これがまぐれだと言われないようにしっかりと練習して、もっと力をつけて期待に応えられる選手になりたいです。点数を上げていかないと、いい位置を回れないですから。次はGIで結果を残したいです」
ビッグ戦線で一大勢力を築く北日本勢の一員として存在感を高めていく。
絶好展開の佐藤慎太郎は2着に敗れたが、番手としての役割りはしっかりこなした。
「俺は結果的に2着で、もちろん(阿部)力也の優勝も嬉しいけど、それ以上に(菅田)壱道が超一流の先行型になったのが嬉しい。やりたくてもできない競走。それをやってのけたのが嬉しい。見ている人も迫力があったと思うし、北4人が並んで、4人ともが自分の仕事をしての結果だからね。自分も同県の間に入ったので、しっかりと自分の仕事をしようと。でも、松浦がくるのが見えて、振るのが早すぎて2回振ってしまった。それが余計だったね」
郡司浩平は終始、包まれる厳しい流れになったが、内を突いてしぶとく3着に食い込んだ。
「初手で真ん中の位置を取って、そこから切って中団とかいろいろ考えていたんですけどね。(菅田の突っ張り先行で)あれで全部、決まっちゃいました。コースがなくて、探しながら内々に行きました。もうちょっと何とかできれば良かったですけど。(寛仁)親王牌まで1週間以上あるので、しっかりやることをやって迎えたいと思います」
菅田壱道は北日本ラインの先頭で迷いなく駆けた。
「突っ張れば松浦君は下げ切らずに中団併走になるだろうと思ったし、そうすれば勢い良く来られないだろうと。あの展開は想定していた。自分も勝負できる距離で勝負と。オールスターで一周半行って9着で持たないのが分かって、今回はもうちょっと短くしてどうかなと思ってバックではもうちょっと持つかなって感じだったけど、ダメでしたね。その辺は練習ですね」
松浦悠士は北日本の結束力の前に敗れた。
「突っ張られることは頭には入っていました。強引に叩けば良かったかも。でもそれだと郡司さんに勢い付けていかれるし、難しい。車番が悪かったからどうしてもあの組み立てになってしまう。併走してからも鈴木(誠)さんが少し遅れたところで体が反応して入ろうとしてしまったのが余計。そのままの勢いでいけば良かった。終わってみれば、強引に叩いて郡司さんを出して勝負だったかなと。調子が良かっただけに悔しいですね。もっと力をつけないと」
単騎で最後方からまくり上げた井上昌己は不発に終わった。
「一歩目は良かったけど、その後が全然。あの展開で届くには10秒7ぐらいじゃないと難しい。初手は車番も悪かったし、松浦君のラインからでそこからは流れでと。北日本は前を取れば突っ張るだろうなと思っていた。どうしても単騎は展開待ちになってしまう。打鐘の3コーナーぐらいで強引にカマせばとも思ったけど、勇気が出なかったですね。単騎でしたし。結果的には菅田君が強かったですね」