• 福井競輪 第4回ウィナーズカップ3/26〜3/29

後記 GⅡ 福井 03/26 ウィナーズカップ

今年2度目のビッグも中国勢

松浦悠士

松浦悠士

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 またしてもこのコンビだった。清水裕友、松浦悠士の並びで、松浦は昨年の競輪祭で初戴冠。グランプリを挟んで、今年最初のG1、全日本選抜を清水が、松浦の番手から初タイトルを獲得した。そして今度は松浦。中国地区のS級S班の2人がビッグを3連続V。輪界の潮流は、彼らがつくり出している。
 「(清水の))番手に付くのはグランプリ以来だったんですけど、本当に頼もしくて、信頼できる背中だなと思いました。(優勝は)ラインの力のおかげ。自分はかなりキツかったんですけど、なんとか押し切れた感じです」
 北日本コンビに単騎の和田健太郎。周回中は4番手に位置した清水は、後方にいた単騎の3人の動きをアテにすることなく赤板2コーナーから敢然と高橋晋也を叩きに出た。3番手の柏野智典まで中国ラインの3車が出切った時点で、勝負の局面は大きく松浦に傾いた。
 「(スタートで)高橋君が前に出て、そのあと(の4番手)が取れた。単騎勢が動いてくれたらなっていうのは、ちょっとあったんですけど。清水君が赤板前からかなりそわそわしていたので、これは(仕掛けて)行くなっていうのがあったので、そこはしっかり追走できた」
 逃げる清水の掛かりもよく、4、5番手にいた吉田敏洋、古性優作は動けない。しかしながら、6番手で立て直した115期の新星、高橋がまくりで猛然と迫ってくる。
 「清水君が先行してくれたことと、高橋君が見えた時にしっかり僕が前に踏んで、その時に柏野さんもヨコに動いてくれた。本当にラインの力での優勝だったと思います。(優勝したことは)最後、敢闘門に入る時に確定を聞いて初めてわかりました」
 高橋のスピードを見極めた松浦は、最終3コーナーから番手まくり。北日本両者を振り切って、ゴールを先頭で駆け抜けた。今シリーズは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から無観客での開催。それだけに確定放送までは、Vを確信できなかった。
 「僕は過去に(無観客の)ミッドナイトを走ったこともあるので、そういう意味では自分のモチベーションとかに影響はない。でも、やっぱり優勝したあとに声援がないっていうのはさみしい」
 全日本選抜では清水を初タイトルに導いたものの、直線半ばで落車に見舞われた。まだ完調とはいえないなかでの昨年の競輪祭に次ぐ2度目のビッグ制覇だった。
 「怪我をしてから2場所目で優勝できて、自分のなかでは落車のダメージがあったかなとは思うんですけど。いままでの落車の経験を糧に、しっかり調子を戻すことができた。それが優勝につながったかなと」
 まだ3月、気は早いが、2000万円超の優勝賞金を積み重ねて松浦は、獲得賞金でも清水に次いで第2位。「KEIRINグランプリ2020(GP)」出場に視界は良好だ。
 「(グランプリには)タイトルを獲っていきたいっていうのは変わらない。だから残りのG1でもしっかりタイトルを狙っていって、なるべく多く中四国勢でグランプリに行きたいなっていう思いです。清水君とのコンビでこうやってビッグを連覇できたので、今後もビッグをいっぱい獲れるように精いっぱい頑張りたい」
 画面越しから見守るファンに中四国地区の力を見せつけるV。今年もビッグ戦線は、この2人を中心に回っていく。

 高橋のスピードをもらって突っ込んだ守澤太志は、わずかに届かず2着。
 「もしかしたらって思ったけど、届いてなかったですね。高橋君はよく仕掛けてくれたし、強かった。余裕もあるんでしょうね。もうちょっとでした。頼もしい後輩が出てきたなって思うし、今後も楽しみです」

 ビッグ初挑戦で決勝まで駆け上がった高橋晋也は、臆することなく仕掛けて3着。
 「突っ張ろうか迷ったけど、自分たちは2車だったし、4番手を狙っていった。単騎の選手が来たけど、6番手に入れた。清水君が(最終)バックでタレたところで一気に行きました。タイミング的にも良かったと思う。2センターくらいでは交わせるって確信があったけど、松浦さんに盛り返された」

Race Playback

レース展開4
番手まくりの松浦悠士選手が、北日本勢の強襲を退けて2度目のビッグ優勝。守澤太志選手が外を伸びて2着。3着に高橋晋也選手。

レース経過

誘導員 : 渡辺十夢

 号砲で出た守澤太志が前を取り、高橋晋也を迎え入れて北日本勢が前受け。単騎の和田健太郎が3番手で、中団に清水裕友-松浦悠士-柏野智典の中国ライン。7、8、9番手は単騎の吉田敏洋、古性優作、原田研太朗の順で並んで周回を重ねる。 赤板を過ぎても隊列に変化はなく、2コーナー手前から清水が一気に仕掛ける。打鐘で高橋を叩いて先行態勢に入り、中国ラインと吉田、古性まで出切って最終回へ。ハイスピードで逃げる清水に対し、6番手まで下げた高橋が2コーナーからスパートすると、清水と車間を空けていた松浦が3コーナーから番手まくりで応戦する。それでも高橋は松浦に迫ったが、松浦がなんとか振り切って二次予選から3連勝でVを果たした。2着は高橋マークから伸びた守澤。松浦に合わされながらも、高橋が3着でゴールした。

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