吉田拓矢が記念初優勝
後ろ攻めから動いて新山響平を受けた吉田拓矢は絶好の3番手を確保。村上義弘の巻き返しも神山拓弥の外で止まると、しっかりと勝てる位置から勝負した。これが記念初優勝。開口一番「優勝したことは素直にうれしいです」と、喜びを口にする。
「結果は良かったけど、内容的には決して満足してはいけない勝ち方。次は自力で記念を獲れるように。これに満足せず頑張りたい」
村上や山崎賢人の巻き返しでかぶるようなら流れは違っただろうが、新山のかかりの前に村上、山崎は巻き返せず。これで吉田には絶好の流れとなった。
「新山さんがいいペースで誰も来ないだろうなと。ここまで来たら勝ちに徹しようと思って走りました。今回は展開に恵まれての結果。新山さんの強さも感じたし、さすがだなと思った」
前回、12月高松決勝での落車もあったが、「体を見つめ直す機会。プラスに考えて、ここに向けて調整して来た」。初日、2日目と試したセッティングは実を結ばなかったが、3日目から競輪祭の仕様に戻しての優勝だ。
「記念を優勝するのを目標にしてたけど、GIで勝つのが一番の目標なんで。もっと力をつけて関東を代表する選手になれるように。まずは2月に全日本選抜があるんで、そこを目標に頑張りたい。来年は関東全体で盛り上げていって。そのためには僕が頑張らなきゃいけないと思うんで」
3年以上GI優勝者を出せていない関東勢にとって吉田の活躍は必要不可欠。この優勝を足がかりに来年はさらなる飛躍を目指す。
レースの主導権を握ったのは新山響平。別線の巻き返しを許さない圧巻の逃げだったが、ゴール前で吉田に優勝をさらわれた。
「須永(優太)さんが後ろから2番目を取ってくれたのがありがたくて、生かしたいなと思ったけど、(あの並びは)吉田にも生きたかなと。吉田がうまくていい立ち回りでしたね。駆けた感じは悪くなかったけど、最後の踏み直しが少し甘かった。もう少し踏み込めれば良かったけど、ただ脚を回してるだけになったので。負けましたけど、吉田とは同期でライバルとしてやってきたのでうれしいですね。ゴール前、2人で争ったのも久しぶりだし、感慨深かった。次は僕が先行で勝ちます」
3位入線の神山拓弥だったが、まくって来た村上を押し上げ、その外にいた山崎を落車させたため失格に。新山マークの須永優太が3着に繰り上がった。
「マジっすか。こんな恵まれていいんですかね。本当に響平のおかげ。どっちにしても(新山の)先行と思ってたけど、初手で中団が取れたのが良かった。(新山が)ずっと流れてたので来れないぐらいの雰囲気だった。僕は余裕がなくていっぱいでした」
地元記念初優勝の期待がかかった山崎賢人だったが、最終2センターで落車のアクシデントに見舞われた。
「怪我は背中、肘と足の擦過傷。大丈夫です。どこからでも行けるところで行こうと(小川真太郎とは)話してたけど、構えてしまったし遠かったです。また来年頑張ります」