• 平塚競輪場開設72周年記念湘南ダービー4/7〜4/10

後記 GⅢ 平塚 04/07

佐藤慎が今年早くも記念V2

佐藤慎太郎

佐藤慎太郎

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 会見場に現れた佐藤慎太郎は、開口一番、前を任せた平原康多への想いを口にした。
 「もうちょっと自分に余裕があれば、平原とワンツーを決められた。平原クラスの選手が、あれだけ風を切ってくれて、残せずに申し訳ない気持ちが強いです。自分が勝たないといけないって選手が、俺のことも考えたレースをしてくれたっていう気持ちが嬉しい」
 これまでビッグレースの舞台でも何度も連係してきた両者。超一流同士の、地区の垣根を超えた絆がある。それだけに、先行した平原を2着に残したかった。
 「(和田)真久留を目標にして、誰かがまくってくるんじゃないかって思っていた。そしたら結構なスピード差になるし、焦って踏んでしまった。内もうかつには空けられなかったので。冷静になれば、ワンツーを決められる態勢を作れたと思う。記念の決勝でそれぐらいの余裕がないと、これより上では厳しいと感じている」
 初日特選は古性優作、準決、決勝は平原の番手を回った。同地区の機動型に任せたのは、二次予選の一度だけ。与えられたメンバーの中で、勝つために常に最善の選択をしてきた。そのなかで、決勝戦は平原が気持ちの入った先行策に出た。再三、佐藤が仕事をして、地元勢を阻んだ。平原の気持ちに応えたいという想いが、地元勢の意地に勝った。
 「このレースを見て、北日本の自力が発奮してくれたらいいね。他地区の自力じゃなくて、自分たちがこれをやらないとって思ってほしい」
 北日本勢に奮起を促したのは、地区全体の先を見据える佐藤だからこそだろう。終わってみればオール連対。シリーズ3勝を挙げて、2月静岡記念以来のG3優勝。デビューから四半世紀あまりが経った今でも、その輝きは増すばかりだ。
 「記念をなかなか勝てない時期もあった。そのなかでもトレーニングとか、レースに臨む姿勢だったりっていうのが、間違ってなかったって思える。新しい練習があれば取り入れるし、守る感じではないね。挑戦していきたい」
 佐藤が最前線で戦い続ける限り、漢字の競輪が衰退することは決してない。

 2着に入ったのは古性優作。後手を踏まされる苦しい展開のなかで、直線では山田庸平と火花散るデッドヒートを演じた。
 「まさか(初周で関東勢が南関勢を前に)入れると思わなかったので。郡司(浩平)君が後ろ攻めかなって思ったんですけど、入れた時点で難しかったですね。でも、チャンスはいっぱいありましたし、1コーナーでいこうと思ったんですけど、平原さんの掛かりがすごくていけなかったですね。2コーナーもいったんですけど、出なかったです。結局、初日が一番よかったですね。今日も(体と自転車の)一体感がなかったです」

 レースをメイクしたのは平原康多だ。久しぶりの先行策で佐藤の優勝に大きく貢献。清々しい表情で振り返った。
 「想定外のスタートになりましたね。前か前中団っていうのは考えていたんですけど。(打鐘で切る時に)あのペースでいって、来たら出させてって思っていたんですけど、遅かったので。スイッチが入りましたね。(佐藤)慎太郎さんといいレースができたと思う。あれで逃げ切れれば脇本(雄太)にも勝てるんでしょうけど、ダメでした。でも、慎太郎さんの優勝は自分の優勝みたいなものなので」

Race Playback

レース展開4
郡司浩平選手を出させずに平原康多選手が先行策。番手を回った佐藤慎太郎選手が仕事をしながら抜け出して2月静岡に続く記念優勝を飾った。

レース経過

誘導員 : 加藤圭一

 けん制気味のスタートから結局、郡司浩平が出て前受け。郡司-和田真久留-大塚玲、平原-佐藤慎太郎、山田庸平-井上昌己、古性優作-神田紘輔で周回を重ねる。 青板3コーナーで古性が上昇。郡司は赤板で誘導を残したまま下げて正攻法の位置に古性となるが、この上を山田、平原の順で切り、2コーナーから平原が先制。平原ラインを追った郡司が山田をキメつつ3番手を確保かに、3コーナーで山田に内をすくわれてモツれる。それでも郡司が外併走から最終ホーム入り口で巻き返して出ると、合わせて平原もペースアップ。郡司は出切れず2コーナーで売り切れ。和田がすぐさままくりに転じ、これに古性も乗ってくる。しかし、和田は佐藤の再三のブロックでダウン。和田の外を踏もうとしていた古性は咄嗟の判断で4コーナーから内に切り込む。直線に入り、平原後位から佐藤が抜け出してV。古性は山田をキメにいって絡んだ分伸び切れなかったが、粘る平原を寸前で交わして2着に入る。

ページトップへ