グレード連続Vで郡司浩が優勝
連日超抜のレースを見せていた深谷知広に任せて臨んだ決勝。スタートけん制が入って南関勢が前受け。別線の上昇を受けて8番手に下げる。ここまでは大方の予想通りにレースが進む。あとは、深谷がどこから仕掛けるかだけ。郡司浩平が、こうレースを振り返る。
「深谷さんありきのレースでした。深谷さん中心のレースになると思っていました。下げても立て直して行くことはわかってたけど、ここで行くのかってところですかさず行ってくれました。スピードが違ったし、出切っちゃうだろうなと。距離が長くて、後半は失速するんじゃないかと頭の中で計算したけど、この強い風の中でいつも以上に最後まで踏んでいた」
深谷は赤板2コーナーから一気にカマす。とてつもないスピードで主導権を奪い取り、最終ホームでは2車で出切る。果たして別線の巻き返しはあるのかと疑問に思ってしまうほどのスピード感。その中でも、松浦悠士が7番手からまくり上げる。深谷と車間を切って反撃に備えた郡司は、2センターで松浦をブロック。松浦の勢いは止まるが、今度は内から村上博幸が中割りを狙う。4コーナーを過ぎても一瞬たりとも気が抜けなかった。
「小松崎(大地)さんは3番手に飛び付くのに相当脚を使っているし、二の足では来られない。松浦君だけ見て、(最終)3コーナーで止まると思ったし、そこまでは引っ張りたかった。2車で難しいところはあったんですけど、まくりにかぶるのだけはダメ。ブロックして、内は我慢でした。村上さんはさすがというか。当たられた時にかなり重くて。深谷さんをかばいながらだったけど、スピードをころされて、かばう余裕がなかった」
なんとか村上の強襲をしのいだ郡司が、共同通信社杯に続いてグレードレースを連覇した。初日特選、決勝と連係した深谷の存在は、郡司にとって、いや、南関地区全体にとってとてつもなく大きい。これからも幾度となく連係する両者は、また1つお互いの信頼を積み重ねた。
「逆の並びなら、自分はあのレースはできない。だから、後ろでできる援護をしたかったし、今回はそれができた。深谷さんは本当に最後まで踏めていたし、ゴール前まで2人で並んで勝負ができた。それが良かったですね。こういうレースを増やしていきたい」
今年もG1は残すところあと2つ。年末へ向けて、緊張感が高まってきた。
「共同通信社杯の勢いのまま獲れたってことは、次につながると思う。大きい1勝ですね。もちろんグランプリに向けてってところもあるんですけど、次は寬仁親王牌。前橋でドームってこともあるし、いつもと展開も変わってくる。そこに対応できるように。この先のG1を目標にやっていきます」
共同通信社杯を制する前とは、明らかに空気が違う。3度目のタイトル奪取、そして…。いろいろな夢が、現実味を帯びてきた。
一瞬のチャンスを逃さず中割りを狙った村上博幸だったが、わずか届かずの2着。
「車番で後ろ攻めになるかなと思っていたんですけど、中団が取れたんで。結果的に余計なことをしてしまったかな。最後は自分で勢いをころす感じにしてしまった。今回は緊張感のあるメンバーで連日走らせてもらえて、自分の中で収穫があった。帰ってからやりたい練習も見つけました」
圧巻のカマシでレースを支配した深谷知広が3着。
「どこからでも先行しようと思っていました。それがあのタイミングになりました。今回は疲れはありましたけど、感覚は悪くなかったですね。次は静岡(10月14日からのFI)なんですけど、またトレーニングをして臨みます」