• 立川競輪場開設73周年記念鳳凰賞典レース1/4〜1/7

後記 GⅢ 立川 01/04

昨年の流れ断ち切り、Vスタート

山口拳矢

山口拳矢

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 S級S班の昨年は思うような成績を残せずに「フラストレーションのたまる1年だった。良くなってきたら、また落ちての繰り返しだった」と、前検日に振り返っていた。その1年を象徴するように、24年のラスト走は落車で終わった。
 「すごい久々な感じがするんでうれしいです」
 一昨年7月、名古屋以来のG3制覇、優勝からも同年の10月の川崎F1から遠ざかっていた。それだに久しぶりの美酒は、ひとしおに違いない。
 「(藤井)侑吾さんがチャンスをつくってくれて、それをモノにできた」
 敢然と突っ張り先行に出た藤井が、絶好の展開を演出。訪れたチャンスを抜かりなくつかみ取った山口拳矢が、藤井への感謝を口にする。
 「侑吾さんが一番走りやすいようにっていう感じでした。(スタートで)前を取らされて、突っ張るか引くかは状況次第でした。(藤井が)なんとなく突っ張るのは、雰囲気で感じたので邪魔しないようにと」
 取鳥雄吾を阻んで後続を一本棒にした藤井は、打鐘2センターからさらに加速して逃げる。が、無傷で勝ち上がっていた郡司浩平が、脚を使うことなく4番手にいた。
 「侑吾さんがスピードを緩めなかったんで、このペースで駆けていくんだろうと。それで変に慌てることはなかった。ただ、確認した時には(郡司が)真後ろくらいにいた。それでなにもできずに踏んじゃった」
 郡司のまくりに合わせて、ちゅうちょなく番手発進。結果的にはその判断が功を奏した。
 「侑吾さんには優勝で応えることが最低限でした。自分は本当にタテに踏んだだけです。(郡司に)最後は迫られているんで、やっぱり強いなって感じでした」
 直線で再び詰め寄る郡司を4分の3車輪、振り切ったところがゴール。今年最初のグレードレースを制して、落車で終わった昨年の悪い流れを断ち切った。
 「自分の成績とかをいったん忘れて、ゼロからつくり直していきたいっていうのが今年の目標。(今年は)一昨年以上の成績って考えていたんで、G3をもう1個とやっぱりタイトルを獲りたい。(このあと)F1戦が始まるので自信を取り戻しつつ、仕掛ける勘を取り戻せたら」
 S級S班返り咲きのためのスタートダッシュとしては、これ以上ない新春のシリーズ。タイトル奪取への足がかりには十分だろう。

 4番手で脚をためた郡司浩平は、最終2コーナー手前からまくりを打つ。しかしながら、3コーナーに入る前に山口に並ぶことができず、いったん山口後位に降りて直線勝負に持ち込んだ。
 「(突っ張りではなくて)藤井も獲りにいくような感じで、1周カマシかなって。突っ張ってあんなにやるとは思ってなかった。(最終)4コーナー過ぎから藤井が踏み出したんで、その前からタイミングを取っていた。(ラインが)2車だったし、いい位置を取れすぎたのが敗因ですね。(最終)ホーム、1コーナーで外に持ち出したかったけど、そこが一番掛かっていて2コーナーまで待つしかなかった」

 単騎の平原康多は、南関コンビを前に見る6番手で最終ホームを通過。2センターでは内から岡村潤を弾いて追い込むも、3着がいっぱい。
 「初手は中団からと考えていたけど、前を取らされそうになった。それだと厳しいので、そうならないようにと。藤井君が(突っ張って)駆ける気とは思っていなくて想定外でした。(藤井が)突っ張ってからは、園田(匠)さんに削られないように注意していた。前検日の感じのわりにはやれた方だと思います」

Race Playback

レース展開4
 番手まくりで山口拳矢選手が、郡司浩平選手を合わせ切って優勝。郡司選手が2着、単騎の平原康多選手が3着。

レース経過

誘導員 : 鈴木輝大

 見合ったスタートから山口拳矢が飛び出して誘導を追う。道中は、藤井侑吾-山口-清水一幸、郡司浩平-岡村潤、平原康多、高橋築、取鳥雄吾-園田匠の並び。 青板バックから取鳥が上昇するも、赤板で藤井が突っ張る。取鳥は8番手に車を下げて、再び初手と同じ隊列に戻る。藤井は後方の動きを警戒しながら赤板2センター付近からペースアップし、隊列が一本棒のまま最終ホームを通過。1センターから4番手の郡司がまくり上げていくと、山口も合わせて番手発進。3コーナー過ぎには、山口が郡司を合わせ切る。しかし、山口を追った清水が遅れ、郡司は山口後位にいったん収まり直線で再度詰め寄る。が、山口が振り切ってV。まくった郡司は4分の3車輪届かず2着。南関勢に乗って2センターで岡村をさばいた平原が3着。

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