• 5/1〜5/6
  • 平塚競輪場 第80回日本選手権競輪

  • 5/1〜5/6

後記 GⅠ 平塚 05/01

1年半ぶりのG1制覇で初のダービー王

古性優作

古性優作

優勝写真
優勝写真
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 通算9回目のG1制覇。何度も経験している表彰式、それでも古性優作は、あふれる涙が止まらなかった。
 「みんな、毎日、死に物狂いで練習してきた選手ばっかりだと思う。そのなかで(決勝を)走れて、幸せだなって走る前には思っていました」
 自身を含め3人のS級S班をはじめ、輪界日本一を決めるにふさわしい9人が決勝に顔をそろえた。ただ、近畿勢は一人だけ。一次予選では近畿勢が誰ひとり勝ち上がれず、準決でラインを組んだ寺崎浩平、山田久徳も敗退。脇本雄太不在の日本選手権で、古性が背負うものは少なくはなかった。
 「近畿勢の流れが良くなくて、僕の力で少しでも流れをって思ったんですけど。なかなか流れを変えられず、最後は1人になってしまった。関東勢の勢いがすごかったんですが、なんとか僕1人の力でも勝ちたいと。(勝てて)良かったです」
 平塚に詰めかけた約1万3000人のファンの前で、古性がこう言って涙をぬぐった。
 佐々木悠葵が先頭を務めて、吉田拓矢、眞杉匠のSSコンビが固める関東勢を中心にレースが動いた。赤板1コーナーで飛び出した佐々木が緩めることなく踏んでいき、吉田、眞杉の追走。取鳥雄吾が4番手に飛び付き、追い上げた古性は松浦悠士の後ろの荒井崇博が遅れたスペースを確保して打鐘を通過した。
 「赤板は佐々木君が上手やった。(自分の)判断が悪かったし、難しかったです」
 最終ホームから取鳥が巻き返すと、古性は空いたインに俊敏に進路を取り押し上げる。2コーナー手前で眞杉の内に並んで一撃でさばいて、番手まくりの吉田に乗っていった。
 「(最終)ホームから内に行った判断も想定外というか、もう吸い込まれるように行きました。あそこを狙っていったわけではないですね。ああなったら外行くしかないなっていう感じだったんですけど。今回に限りですかね」
 外を仕掛けることは、常にベースにあるからこその、瞬時のジャッジメント。自身にも言い聞かせるように付け加えた。
 「こんだけメンバーが強かったら、(優勝は)確率論みたいになってくるところもある。本当に力を出し切って負けたら、その時はまた練習するしかないなと。そういう心構えで発走機には立った。最初からああいうレースをしようと思って発走機に立ったら、優勝は絶対にできていないと思います。結果そうやって外を踏むっていう気持ちがあったから、ああいう判断にもなったんだと」
 自力に転じた吉田後位を奪取した古性に絶好も、後ろには立て直した眞杉がいて直線を迎える。内の吉田をとらえて、外の眞杉を退けた古性が先頭でゴール。9度目のG1制覇は、初めての日本選手権優勝だった。
 「日本一になるために、毎日すべて捧げてきましたし。(優勝は)本当にうれしいですね。去年の1年間、本当に不甲斐なかった。去年は納得のいくレースが1つもなかった。選手を続けていてもおもしろくないなっていうのがあって、心も折れそうだったけど、やってきて良かったって思います」
 昨年7月のサマーナイトフェスティバルで落車の憂き目。肩鎖関節の脱きゅうとじん帯の断裂。右肩が思うようにならないなかで、昨年のビッグ制覇はウィナーズカップだけに終わっていた。ダブルグランプリスラムを掲げる古性にとっては、日本選手権は日本一という称号だけではなく目標への大切なピースになる。
 「(近畿勢の)層が薄いなかで、どんだけ自分が踏ん張れるかだと。とにかく自分はしっかり一個人として成長できるように。あとはこう近畿の層がどんどん厚くなって盛り上がっていけば。決勝は1人じゃなくて、去年の全日本選抜みたいに6人乗れたりとか。そうやって別線になるくらい、幸せな悩みが増えたら一番うれしいなって思います」
 2月の全日本選抜を脇本が制して、その流れを受け継ぐように古性が日本選手権V。古性がいるかぎり、近畿の流れがとどまることはない。

 佐々木がハイペースで駆けて、吉田拓矢は最終2コーナー手前で番手まくりを打った。
 「佐々木君がうまかった。取鳥さんに突っ張られないように、行ってくれた。ダッシュがすごくて、(車間が)空いてしまってもったいなかったですね。あそこで消耗したかなと。(古性の動きは)見えていないです。眞杉に申し訳なかったです。タテに踏むだけだったのに、行くのが早いと思って…。眞杉が3番手を回ってくれた意味がない」

 古性に吉田後位を奪われた眞杉匠は、古性に続く荒井を阻んで立て直す。直線で外を追い込むも3着まで。
 「(脚的には)大丈夫でした。本当は付いていかないとダメですけど…。(最終)2角でフワッとしてしまって、内を空けてしまった。締めておかないといけなかった。古性さんが外からなら対応できたと思いますし、すごいっすね。一瞬の…。(古性は)脚を使ってあの位置まで追い上げて来たと。対処できずダメでした。あれだけ(佐々木が)行ってくれたのに、関東で誰も獲れていない。あそこで空けなければ、(吉田と自分の)どっちか(優勝で)ワンツーだったかなと」

Race Playback

レース展開4
 単騎の古性優作選手が、吉田拓矢選手の後ろを奪取して追い込みV。吉田選手が2着、眞杉匠選手が3着。

レース経過

誘導員 : 福田知也

 スタートで取鳥雄吾が勢い良く飛び出して誘導員を追う。道中は、取鳥-松浦悠士-荒井崇博、古性優作、佐々木悠葵-吉田拓矢-眞杉匠、菅田壱道-渡部幸訓の並びで周回を重ねる。 赤板で正攻法の取鳥が最初に上がってきた北勢を突っ張るような素振りを見せるが、その北勢の外から佐々木が赤板過ぎに一気に飛び出す。吉田、眞杉は車間が空きながらも合流し、関東勢が出切り、4番手は取鳥。古性は1センターで踏み遅れた荒井の前に入り6番手を確保。出切った佐々木はハイピッチで飛ばしていく。番手の吉田は最終ホーム過ぎに仕掛けた取鳥をけん制し、2コーナー手前からまくる。古性は1センターで内から眞杉をすくって吉田後位を取り切る。吉田が先頭で4コーナーを回るも、直線半ばで吉田を交わした古性がV。吉田は番手まくりを打つも2着。古性にすくわれた眞杉は、2センターで内の荒井をキメにいって3着。