地元のエースが堂々V
吉田拓矢
前を盟友の眞杉匠に任せて、後ろを山下渡が固める唯一の3車ライン。吉田拓矢にとって、盤石の布陣が整った。2車単のオッズは、1番人気から7番人気までが吉田の1着。ファンの圧倒的な支持を裏切ることなく、吉田が2度目の地元記念制覇を達成した。
南関勢が切った上を眞杉が叩くと、単騎勢が追い上げて中団は併走。眞杉は慌てることなくミドルペースで先行態勢に入り、最終ホーム付近から徐々にペースアップ。呼吸を合わせた吉田は車間を切る。後続の仕掛けを察知した吉田は、勝機を逃すまいと、バック過ぎから番手まくりを打った。
「みんながバンクが重いと言っているなかで、眞杉が頑張ってくれました。(山田)庸平さんが来たところで、新田(祐大)さんが来たのも見えた。スピードがあったので、前に踏ませてもらいました」
前後を入れ替えて、連係を重ねてきたSS班の2人。今年の宇都宮記念では、眞杉が吉田の先行に乗って絶好の展開を迎えたものの、寺崎浩平のスピードに屈してV逸。今回の初日特選は、吉田が番手を回ったが、南修二に中割りを許してしまった。同じ失敗は繰り返せないと、S班コンビの胸中は合致していた。
「宇都宮記念の時みたいにはならないようにと。絶対に優勝してくれって感じでした。眞杉のおかげですね。でも、自分が前を回った時に眞杉が勝てていないので、それはしっかりリベンジしたいです」
これで早くも今年の獲得賞金は1億円を突破。それでもなお、吉田の視線は常にG1タイトルにある。
「今年はまだG1を獲れていない。高松宮記念杯は悔しい結果でしたし、サマーナイトと、オールスターまでしっかり練習を積みたい。今度は優勝争いできるようにしたいです」
地元の牙城を守り切った吉田の勢いは、ここからさらに加速していきそうだ。
単騎の山田庸平は、周回中から関東勢の後位を確保。岩本俊介との外併走を耐え切り、(最終)2コーナーから持ち出したが、吉田に合わされてしまう。内の山下渡をキメて、吉田を追いかけて2着。
「難しかったです。前の掛かりが良くて、行ける感じではなかったが、1車でも前へと思った。吉田君よりも半車でも前へ出られれば。そういう脚がほしい。(今回は状態的に)良くなかったが、3日目から感触は上がっていた」
新田祐大は、中団のもつれを見て最終2コーナーからの仕掛け。ただ、吉田の番手まくりには届かず。新田が外にスライスしたが、マークの成田和也は2センターで切り替えて3着に入った。
「(スタートは)後ろよりは前で良いかなと。関東勢が前なら、中団だった。後ろよりも前か中団かなと。関東勢が引いたので前になった。(自分たちには)いい形になった。ホームでいっても面白かったかもとは思います。でも、そこは新田君の勝負なので。吉田君が(番手から)出なかったら面白かったと思う。連には絡めたので良かったけど、2着、1着までもっていけるように。(前を)抜けていれば、他のレースでも余裕が出てくる」