活躍が期待された渡邉雄、吉田拓に記念初優出の月森亮と、今シリーズも若手機動型が大活躍した。その一方で連勝で勝ち上がり、地元記念初優勝が期待された新山響は「全部がダメでした」と準決勝で敗退。準決勝の消極的な走りが尾を引いたのか、最終日もまくり不発に終わってしまった。

　９月豊橋の落車から復帰戦だった小原唯。シリーズ１勝の結果には終わったが、二次予選で山崎賢を向こうに回しての先まくり、最終日は新山響を相手に先行と内容のある４日間だった。

　「（最終日は）もうちょっと行けるかと思ったけど、今の自分がどのくらいできるかわかった。落車明けでも、あまり変わらず走れましたね。次も（松戸の）記念なんで、次こそ決勝に乗りたい」

　その小原にまくられ、一次予選で敗れた戸田康だったが、２日目以降は着。４日間主導権を握るなど、充実したシリーズだった。

　「最近調子を落としてた理由はたぶんメンタル。気持ちがしんどかった。でも今回は落ち着けてたし、久しぶりに連日いいレースができた」

　四国勢では吉岡篤、溪飛の追い込み陣も健闘した。準決勝まで勝ち上がった吉岡は「練習もやってるし、ここから戦えそう」。最終日に鋭い伸びで２着に入った溪は「あんなイケるとはビックリした。前回（９月松山）から使ってるシューズが合ってるのかな」と笑顔を見せた。

　最終日６Ｒに開催されたＳ級ブロックセブンを制したのは伏見俊昭だ。「内に行ったのが申し訳なかった」と外にコースが見つからず、４コーナーから内に切り込んだレースを反省したが、９月岸和田でも優勝するなどここへ来て復調一途。「ようやく体が動いてきたかなという感じ。今年はもうＧ１に出られないし、来年から巻き返せるように。まずはダービーの権利を取りたい」と前を向いた。