• 道後温泉杯争覇戦10/13〜10/16

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 松山 10/13

 福田知也がデビューから20年目、40歳を迎えたその年に、ようやくグレードレースを初制覇した。一番の立役者は、何と言っても3日間福田の前を回った根田空史だろう。今まで幾度となく後ろに勝利をもたらしてきた男だが、まくりに回れば準決勝のように福田を振り切ることだってできる。「(勝ちだけを)狙いにいこうと思えば狙える。でも、それじゃつまんないでしょ」。このスケールの大きさが、南関の誰からも信頼される所以なのだろう。

藤原春陽

藤原春陽

 藤原春陽は、7月の本格デビューから未だ勝ち星がない。レースでは自力を出すことを念頭に置き、前を取って突っ張って逃げるパターンがよく見られる。だが、最終日は周回中からじっくりと脚をため、6番手からのまくりで勝負した。接触もあって2着だったが、そのスピード感は秘めるポテンシャルの高さを感じさせた。

 「中団を取って、いつもと違う競走がしたかった。(最終)2コーナーからガツンとまくる競走をやりたかったので、理想通りでした。自分でもスピードが出てたなと思う。風が強かったから止まるかなとも思ったけど、よかった。できれば2コーナーまくりとかも使いたいけど、強い人たちがいるレースだと、位置も取れないし、後ろからじゃまくれない。だから前から突っ張るようなレースをしています。今回はビビッて動けないレースが多かった。もっと練習して、気持ちも脚力も付けていきたいです」

山原さくら

山原さくら

 ガールズは山原さくらが優勝。昨年当所で行われた国際自転車トラック競技支援競輪(G3)では決勝3着だったが、今回はその悔しさを晴らした。これで賞金ランキングも7位から4位へとアップ。16年以来のガールズグランプリ出場をグッと手繰り寄せて、勝負の競輪祭へと突き進んでいく。

 「めっちゃ嬉しいです。前回は優勝できなかったので。顔見せから応援が凄かったので、いいところを見せたいなって思っていました。今回勝てたのは大きいですね。いつも大事な所でポカをしていたので。でも今年は取りこぼすことなく1年間走ってこれていたので、気持ちを強く持って走れていますね。脚なら断然、(柳原)真緒さんなので。落ち着いて走れたというか、根拠のない自信じゃないですけど、勝てると思って走れたので。気持ちの面で収穫がありますね。競輪祭でどこまで行けるかって思っているので、このあとも取りこぼさないように一走、一走を大事にしていきたい」

河端朋之

河端朋之

 河端朋之はまさかの一次予選敗退。初速のスピードは本来のものに戻りつつあるが、ゴール前では極端に失速してしまう。2月に腰部ヘルニアから復帰したものの、持病との戦いはまだまだ続いていきそう。それでも後半の2日間は連勝と、持っている底力の違いは示した。

 「(最終日の)上がりタイムは突っ張り先行よりも悪いので(苦笑)。まだまだですね…。オールスターのあとに良くなったかなって思ったらまた腰痛が出てしまって。良かった頃と比べると今は7割くらいですかね、良くて7割5分かな。まだ朝起きたときとか痛みもありますし、スッキリしない感じなので。高負荷のトレーニングもできていない。まだまだスピードもそうですけど、持久力も足りない。今は(カマシで)前半に貯金を作る走りの方が合っているのかもしれないですね。良かった頃ならジャンで出切ってそのまま走り切れていたと思うので。競輪祭の権利は取れているのでそこまでに少しでも戻していきたいですね。このあとは防府記念が入っているんですけど、その前にPIST6と地区プロがあって忙しいんですけど、ケアをしながらトレーニングしていきたい」

菅田壱道

菅田壱道

 菅田壱道はフレームやシューズを試行錯誤しながらの4日間だった。白星は最終日の1勝のみにとどまったが、今後につながる収穫はあったようだ。

 「フレームは悪くなかったですね。シューズは新しいものを使っていたけど、4日目に戻してみて、戻したやつのほうがよかった。練習と実戦は全然違いましたね。最終日に使ったやつは福井記念とか、(9月)小倉で優勝したときに使ったもの。こっちの方がダッシュした時の力の抜け具合が良いというか、実戦向き。対応できるっていうんですかね。今回は一瞬の判断っていうところが遅れていた。一旦、最終日に使ったシューズとかをベースにしてやっていくつもりです」

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