• 玉野競輪場開設73周年記念瀬戸の王子杯争奪戦2/29〜3/3

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 玉野 02/29

恩田淳平

恩田淳平

 「今回は収穫のある開催になりました」。 今シリーズは準決勝で敗退を喫した恩田淳平であったが、G1戦線で活躍している森田優弥、今年からS班の仲間入りを果たした眞杉との連係して見えてきたものがある。 

 「去年初めてG1を走らせてもらって。高松宮記念杯、オールター、競輪祭って3つ出たんですけど。強い人しかいないあの舞台で自分も頑張りたいっていう気持ちがでてきました。最近は努力が形になってきて点数は上がってきているんですけど、現状、G1で常にチャンスがあるかって言われたらまだまだなので。G1でも頼りにされる選手になっていけるように。そういう意味でも今回は森田君、眞杉君と連係できたのは大きかったですね。今年はダービーの権利を初めて取れたので。しっかりとそこに向けて脚力も技術も上げていきたいですね」

長島大介

長島大介

 2月に入ってから調子を崩してしまっていた長島大介だったが今シリーズは初日、2日目と鋭いまくりで2連勝。最終日は橋本瑠偉の番手からシビアに切り替えてシリーズ3勝目を挙げた。

 「1月の小倉が終わったあとに体調を崩してしまって、全日本選抜はボロボロでした。持久力系の数値もかなり落ちてしまったんですけど、ここに入る前は練習の雰囲気的にも良かったので、あとはメンタルの問題だけでした」と初日、2日目に自力で白星を挙げたことで自信を回復したが、準決勝で森田優弥との連係で課題を掲げた。

 「準決勝は自分の技術不足というか、甘さがでました。すんなりの展開なら番手でも余裕があるんですけど、ごちゃつく展開での対応力がまだまだですね。最終日はうまく対応できましたけど、G1とかもっとレベルが上がったときにも対応できるように技術を磨いていきたい」

小岩大介

小岩大介

 岐阜で行われた全日本選抜からフレームをチェンジして抜群の伸びを披露している小岩大介。最終日はS班の清水裕友が3番手確保から鮮やかな先まくり。前を任せた岩谷拓磨と共に絶対絶命の8、9番手に置かれたが、コースを探して3着に強襲してみせた。

 「最近まで使っていたフレームとは全然違って、もう何年も前に自在で動いていた時のフレームに近くて、固くて軽い、小さいフレームに換えました。最近の競輪は自力というかタテ脚が必要なので。大きいフレームを使っている人も多いですけど、タテってことを考えたら、自分で動いていた時のようなフレームの方が(最近の競輪に)合っているのかなって。スピードが上がっててもニュートラルに入る感じですね。課題は初速のところだけですね」。

 全日本選抜、高松記念、玉野記念とレース間隔が詰まっていたが、次の全日本選抜までには時間ができる。状態面の上積みができればチャンスは広がるばかり。

 「正直、岐阜が終わって軽い腰痛が出て、中3日で高松記念、今回の玉野記念までも間隔は空いていなかったんで、状態的にはどうかなって思っていたんですけど。玉野が終われば少し空くので。結果がでるかはわからないですけど次(のウィナーズカップ)も頑張りたいですね」 

眞杉匠

眞杉匠

 今年からS班の仲間入りを果たした眞杉匠であったが、練習中の落車により鎖骨骨折、肩鎖関節脱臼、右足小指骨折の大怪我を負ってしまい全日本選抜では準決勝で敗退と初戦ではつまづいてしまった。今シリーズは同期の森田優弥や小林泰正らと合宿を組み「今回はかなりいい練習ができたので、前回と比べたら上積みはできたと思うので楽しみですね」と復調を実感しながら戦い抜いた。しかしながら本人は〝レースの質〟を高めていくことにこだわっており、現状には決して満足していない。

 「2日目は残り2周のところで突っ張るべきでしたし、本当にいい時ならそれができていたと思う。周回中から気持ちに余裕がなかった。準決勝はジャンで止まらずに行くべきでしたし、決勝は隠れながら行こうと思ったら(取鳥雄吾に)結構踏まれてしまって…。そういうところですね。状態的には日に日に良くなってきているので」。

 決勝は援軍を失う苦しい形になったとはいえ、地元の取鳥に仕掛けを合わされてしまい8着に沈み悔しさを噛みしめたが、「怪我をして気持ちが下がったわけでもないすし、良い方向に向いていっているので」と決して下は向かない。次走は地元の関東地区で行われるウィナーズカップ(G2)。関東地区の唯一のS班として責任感ある走りで他地区の選手を迎え撃つ。

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