ピックアップ GⅢ 大宮 01/16
500バンク特有の難しさがある中、気温が低く、強風が吹き荒れる悪条件がレースをより複雑なものとした。SS班の北井佑はコンディションが上がり切らず二次予選で敗退し、地元の平原康多は準決勝で落車欠場。決勝戦は後輩を目標とするSS班・脇本雄太に有利と思われたが、佐々木眞也がジカ競り宣言したことで混戦に。戦前は伏兵的存在と見られた佐々木悠葵が決勝戦に状態を合わせて2度目の優勝を達成。2025年はひと皮剥けた姿を見せてくれそうだ。
前検日に500バンクへの不安を口にしていた西田優大だが、オープニングレースを逃げ切りで制すと二次予選はまくりで連勝。準決勝こそ6着敗退も地元勢相手に一歩も引かないレースで名を挙げた。新年は早くも12月のヤンググランプリを見据えている。
「前回(昨年末)の失格(誘導妨害)で一瞬、気持ちも切れたんですけど、1月は走れるので今月中はしっかり走ろうと。9車立ての方が7車立てと違って、前へ出られるチャンスがあるかなって思っている。二次予選は(別線が仕掛けている)あの上を行けるのかと、風の強さもあって。4番手が空いているのが見えて、ちゅうちょしてしまいました。風が強すぎるんですけど、走路は初日と変わらず軽かったですね。今期はS1の点数を取りたいし、ヤンググランプリの選考(対象)にも入っているので出られるように」
今年からSS班の仲間入りを果たした北井佑季だが、初戦の立川記念は準決勝で7着失格、今シリーズも最終日に何とか1着を取るも着ともの足りない結果となった。SS班になったことで新たな苦悩が生まれている様子。
「今までは倒す相手がいて、それを追いかけていたんですけど、今年からS班になって、明確に何かを追いかけたりがないのが現状で。ただ、古性(優作)さんは何度もタイトルを獲る中でずっと上を見てますし、自分もそういうのを見つけて上げていければと。いまは足りない部分が多いですし、乗り越えて打ち破るためにも頑張りたい。次は静岡なので、いつも通りしっかり準備したいですね」
市橋司優人は昨年12月から状態を上げると、年始の豊橋F1では2勝。今開催は二次予選のメインレースで平原康多に伸び勝ち、金星を挙げて連勝で準決勝に進出。最終日も3着に入るなど、目に見えた結果を出した。
「二次予選はいい感じに伸びていっていたし、そのスピードをもらって外を踏んだ。平原さんは怖かったけど、最後まで伸びてくれました。(昨年11月の)取手F1が悪くて、そこから練習内容とかすべてを見直して練習の成果が出ているんじゃないかって。フレームで悩んでいた時期もあったんですけど、いまは、このフレームでセッティングがバチンとはまっています」
伊藤颯馬は昨年12月の静岡F1、年始の高知F1を連続優勝して今大会に参戦。初日特選をまくりで制すと二次予選も快勝。準決勝は寺崎浩平に敗れるも最終日も白星でシリーズ3勝。昨年はビッグ戦線で存在感を高めたが、2025年はひとつの明確な目標を持って1年間を戦う。
「準決勝は寺崎(浩平)さんが強すぎました。(準決勝の)嘉永(泰斗)さんみたいな組み立てにすれば良かったけど、結果論ですからね。今回は九州勢が多かったのでチャンスだったんですけど。寺崎さんに脚で勝つのは厳しいなって改めて感じました。なので、組み立てだったり立ち回りで何とかしたいなって。最近は番手回りも少しずつ増えてきたし、よりチャンスは増えていくと思う。周りから見た目が弱そうって言われるから、ウエイトをより取り入れたりしようかなって考えたりするけど、今年も急いだりせずに自分のペースでやっていきたい。25年はどこかで記念優勝したい」