ピックアップ GⅠ 豊橋 02/21

寺崎浩平
昨年11月の競輪祭でグランプリを含めた全冠制覇に王手をかけていた脇本雄太が、年をまたいでのG1連覇で史上5人目のグランドスラム、グランプリスラムとしては初の偉業を遂げた。20年のオールスターのドリームレースでは、単騎ながらも先行策であとの8人を退ける逃走劇を披露。あの時のようなインパクトこそなかったが、寬仁親王牌で寺崎浩平のハコでのミスを糧にして、競輪祭、全日本選抜を寺崎マークから優勝。それだけにラインの結束力を強調した。脇本はまだ35歳。今シリーズの近畿勢の躍進を考慮すれば、古性優作同様にダブルグランプリスラムにも手が届くところにいる。
近畿勢が4車結束の準決では、中釜章成の男気を無にすることなく、番手まくりでラインを上位独占に導いた寺崎浩平。決勝はあろうことか7番手に置かれる苦しい展開になったが、そこから目の覚めるようなまくりで脇本とワンツー。昨年10月の寬仁親王牌からG1を3連続での優出。タイトル奪取でのグランプリ出場が、これからの命題になってこよう。
「(決勝は)眞杉(匠)君が突っ張ったので、あのタイミングで行ければ良かったんですけど。眞杉君のピッチが飛び付きそうな感じだったので、(打鐘では)自分の得意なまくりでいこうと思いました。4コーナーで緩めばカマそうとも思ったけど。でも、しっかり勝負しにいけた。脇本さんとの脚力差は感じました。それでも自分も勝負にいっての結果。(今回はシリーズを通して)自分の強みは出せたと思います」

菅田壱道
新田祐大、中野慎詞らが不在。シリーズを通して苦戦を強いられた北日本勢だった。それでも新山響平とのタッグ、最終日は小原佑太の番手から菅田壱道が存在感を見せた。
「準決のレースに関しては深谷(知広)君に3車で行かれてしまったらキツい。あそこを(和田真久留を)もっていって、新山君を迎え入れようと。後ろに古性(優作)君がいましたけど、隙あらば張ってと。それで古性君にすくわれそうになっても、そこをキメるくらいじゃないと戦っていけない。そうやってやっていかないと。今年は番手でしっかりっていうテーマをもってやっていかないとって思っている。イメージづくりじゃないですけど、しっかりやっていきたい。いまは新田先輩だったり(中野)慎詞だったりがいない。(佐藤)慎太郎さんも怪我でいないですし、北日本は盛り上がりが足りないとか、手薄だって思われないようにやっていかないと」

犬伏湧也
前回の岐阜F1では、すべて逃げ切りでの完全V。波に乗って今シリーズを迎えた犬伏湧也は、最終日を白星で締めて2勝をマークした。それでもグランプリを見据えている今年だけに、満足することはない。
「(最終日は佐々木悠葵が)そのまま駆けていけば(3番手でも)良かったけど、流したんでちゅうちょしないで行きました。佐々木君は同級生だし、負けたくなかった。叩き切ってモニターを見たら、後ろが紫(佐々木)だった。1人になったけど、ゴールまで踏み切れました。思いのほか自転車が流れたんで、風が強いなか良かった。準決も外枠だったけど、もっとなんとかできたんじゃないかと。そこを打破していかないと。たまたま(G1の)決勝に乗るんじゃなく、毎回乗れるように。自分は中四国、とくに四国を引っ張っていくために、もっともっと強くならないと意味がない。やれることはいっぱいあるし、自力をもっと強化していかないと」

清水裕友
S班として初日は特選からスタートした清水裕友だったが、大敗を重ねて最終日は一般戦回り。白星を挙げて、なんとか面目を保ったが肺塞栓症による影響か、精彩を欠くシーンばかりだった。
「もうちょっと勝負になると思ってきたんですけど、まったくダメでした。自分の体じゃないみただった。体的にも気持ち的にも、レースにならなかったですね。難しかった。時間は掛かると思いますけど、やっていくしかない。1着はしばらくかかりそうだなって思っていたんですけど、とりあえず良かった。こんな状況でも(取鳥)雄吾が頑張ってくれて、湊(聖二)さんが後ろを固めてくれた。(3日目まで精神的なブレーキがかかっているようにも見えたが最終日の)今日はしっかりゴールまで踏もうと思っていました。(ファンの声援も)ありがたかったですね。でも、いまの状況じゃラインにもお客さんにも迷惑を掛けてしまう…」