ピックアップ GⅢ 名古屋 03/01
優勝した元地元の深谷知広の奮起や、S班の郡司浩平、新山響平らトップレーサーの活躍とシリーズ前半は天候に恵まれたこともあって大盛況となった今年の大会だった。
青木瑞樹
青木瑞樹は今期からS級に初挑戦中。今シリーズは1月の松阪記念以来2度目のグレードレースとなったが初日に格上の谷口遼平をまくって予選を突破してみせた。シリーズ2日目、3日目は思うようにレースを運べなかったが、最終日もしっかりと見せ場を作った。
「今回は2場所目の記念なんですけど、前回よりは良かったです。9車の方が流れに乗って仕掛けられれば、格上の選手たちとも勝負できるかなって思いました。自分はダッシュがないので、そこをもう少し強化できれば。2日目もミスをしてしまったけど、もう少しダッシュがあればいいところまで行けたと思うので」
まだまだ組み立ても粗削りながらも、自分自身の弱点は把握している。デビューから2年未満でS級まで駆け上がってきた期待の新鋭で、経験値を積みながらさらに上を目指している。
格清洋介
一次予選、二次予選と11秒台前半の鋭いまくりで存在感を放っていた格清洋介は準決勝で敗退したものの、最終日は積極策で別線を圧倒してシリーズ3度目の確定板入りを果たした。
「久々の記念でしたけど、前にも走っていたのでその辺(9車立てへの対応)は大丈夫でしたし、9車立ての方が動きがあって走りやすかった。自分はスピードをもらって仕掛ける方が得意ですし、最近は前よりもまくりが決まるようにはなったんですけど。先行があってのまくりだと思うので。まくりだけ何十本もあっても(相手にとっても)わかりやすいですし、成績の波をなくすためにも先行でも勝てないと。先行がとかではないんですけど、タイミングの取り方が下手なので。その辺がもう少しうまくなれば先行もしやすくなると思うので」
吉田有希
逃げ切り連発で久々のG3の準決勝へと勝ち進んだ吉田有希であったが、S班の郡司浩平にあっさりとまくられてしまい力の差を痛感した様子。それでも気持ちを切り替えて挑んだ最終日はまくりでシリーズ3勝目を挙げた。
「郡司さんはSSの中でも3本の指に入るくらいの選手なので、僕のレースをさせてもらえなかったですし、隙がまったくなかったですね。でも自分も調子がいい中で戦うことができたんで、悔しいですけど勉強にはなりました。上のクラスでも自分の持ち味を出してレースをコントロールできるようにならないと。メンタル的にも上げていきたい」
次走は得意バンクの伊東で行われるウィナーズカップ(G2)で、レース間隔も2週間以上あり、さらに期待できそうだ。
「伊東はチャレンジ、A級、S級って一回づつですけど走っていますけど全部1着です。S級は新田(祐大)さんに勝って完全優勝できたので、バンクのイメージはいいですね」
先行有利な短走路で吉田が持ち味を発揮して大物撃破を狙っている。
石塚孝幸
今シリーズの石塚孝幸は二次予選で喫したものの、連日の伸びは決して悪くなかった。迎えた最終日はS班の岩本俊介の仕掛けに乗って2着に強襲してみせた。
「3年ぐらい前に膝が痛くなって、レントゲンを取ったら両膝の膝蓋骨分離症って言われました。休めば痛みは治まるので、だましだましやっていたら去年末に限界がきてしまったので2カ月くらい休みました」
昨年12月からの長欠期間を経て復帰2場所目を迎えたが、決して万全の状態ではなかったが試行錯誤をしながら戦っている。
「今回は膝に負担がかからないようにと思ってシューズのサンを4ミリぐらい深くしました。まだペダリングのリズムはかみ合っていないですけど、意外といい感じですね。もう少しこのセッティングに慣れてくればもう少し良くなりそうです。膝を手術をしたら1年ぐらい走れなくなるって言われたので。もうこの年齢ですし、1年間も休めないんで。膝の痛みと相談しながら練習していければ」
ケガと向き合いながら地道に練習に取り組む石塚にこれからも注目したい。