ピックアップ GⅡ 福井 09/12

脇本雄太
2月の全日本選抜で史上初のグランプリスラマーとなった脇本雄太と8月のオールスターで初戴冠の寺崎浩平。ダブル凱旋の共同通信社杯は、古性優作の失格で後味の悪い結果にはなったものの、大挙5人を決勝に送り込んだ近畿勢が上位を独占。しかしながら、決勝に脇本の名前はなかった。デビュー23年目でビッグ初制覇を遂げた南修二は、賞金を大きく上積みして獲得賞金ランクで7位。まだ気の抜けない状況も脇本、寺崎、さらに獲得賞金で確実視されている古性に次いで、近畿から4人目となるグランプリの椅子をグッと引き寄せた。
一、二次予選を連勝し、2日目にはバンクレコードを塗りかえた脇本雄太だったが、シリーズ唯一の番手となった準決では、自身の持ち味を削がれて8着。まくりでシリーズ3勝を挙げながらも、悔いの残る地元ビッグだった。自動番組編成だった一、二次予選は自力で戦うことができたが、“手組み”となった準決で落とし穴。番組の気づかいが、アダになった格好だ。あらためて競輪の難しさが、浮き彫りになった。
「昨日(準決)、不甲斐ない走りだったので、(最終日は)できる限りの仕掛けをしようと思っていました。根田(空史)君に(4番手に)入られてしまったのは反省です。ちょっと間合いを取りすぎました。(まくりは)無理やり行きました。(決勝進出を逃してしまって)気持ちの切り替えは、うまくできていなかった。(13年の福井の共同通信社杯が、着で)前回の共同通信社杯もこんな感じだったと思うんですけど…。(今シリーズは)良かったり悪かったりで、波があった」

郡司浩平
オール予選の初日にまさかの8着で敗退した郡司浩平は、気持ちをスイッチして、2日目以降もS班としての責務を全う。3走のうち、2度のバックを奪取して、ラインでのワンツーが2回、ワンスリーが1回と早い仕掛けが目を引いた。
「自分のなかでは流れが悪い時こそ、先手を取って積極的に強気な競走を心がけていかないとって思っている。そうしないと悪い方に(流れが)いってしまう。落車して体がどうこうとかではないので。(最終日は)後藤(大輝)の踏み出しが良かったし、いいペースだったんでキツかった。ただ、(仕掛けた)あそこで待たなかったのは正解だと思うし、ああいうレースを続けていかないと。(このあとも)気持ちを入れ直して、(グランプリが決まる11月の競輪祭まで)2、3カ月しかない。落ち込んでいる時間はない。レースでの要所、要所での判断ミスをしなようにしっかりとしたい」」

新山響平
一次予選では、櫻井祐太郎、小原佑太の後ろで、初のライン3番手回りを経験した新山響平は、6着で薄氷を踏む思いで勝ち上がった。準決はラインがうまく機能せず7着に敗退も、最終日は大まくりで大差勝ちを収めた。
「昨日(準決)もそうですけど、逃げ切った2日目も脚力が足りないなって感じた。いまやっていることに、プラスアルファをしていかないと。いろいろと試していくなかで、不調になることもあると思うんですけど。(獲得賞金ランクは)まったく考えていません。とりあえず決勝、(そして)優勝できるように。(一次予選で初めてライン3番手を回って)いつも回ってくださっている選手の気持ちもわかりましたし、後ろの大変さもわかった。僕も突っ張れない時に迷惑を掛けてしまうんで、勉強になりました。(前を回った)後輩にも、感じたことを伝えていければって思います」

岩本俊介
「自分でやっても、なんとか3着で勝ち上がれた」との二次予選以外は、すべて南関の後輩に前を託した岩本俊介。郡司浩平の強烈な踏み出しに、3番手の近藤保が離れた最終日は、番手での落ち着いた仕事ぶりも光った。このあとは10月3日からの京王閣記念まで日にちが空いて、寬仁親王牌を迎える
「(最終日は)赤板から(ペースが)早かったんで、あれだと見ちゃうけど(仕掛ける郡司は)すごいですね。自分も見習わないと。グンちゃん(郡司)が仕掛けてくれて、掛かっていた。それで僕もできることをやろうと。追い込みでやってきたわけじゃないんで、技術はないけどできることをって思っていました。(シリーズを通しては自力と番手の)切り替えもうまくできたと思います。(このあとは間隔が空くけど)年齢的にも、やれることは決まっている。いい意味でムダな練習はしないように。(練習をしっかりとできれば)気持ちを大きく持てるし、(競走でも)自分にうそをつくことなくできる」