ピックアップ GⅢ 伊東 09/14
9月末から同競輪場は約2年間の改修工事に入る。改修前、最後のグレードレースはミッドナイトGIII開催だった。気温が下がり涼しげな気候のなかで行われたレースは、ガールズ決勝は久米詩が地元優勝。男子は阿部力也が7年振り2度目のGIII優勝で幕を閉じた。共同通信社杯直前の開催でトップ選手は不在の開催だったが、機動型が開催を盛り上げた。

皿屋豊

塩島嵩一朗
皿屋豊はオールドルーキーとして17年にデビューしてから9年。年齢を感じさせない走りで開催を盛り立てた。初日は主導権をにぎると、塩島嵩一朗にまくられるが、単騎なのを確認すると、番手にはまって2着。準決勝は決勝進出こそ逃すが、齋木翔多と橋本壮史を相手に先行態勢に入り、「なんで若い子たちがいるのに俺が先行なのか……」とレース後には嘆いていたが、持ち味を存分に出し切った。
「前検日にセッティングをだいぶいじっていい感じになりました。ここにくる前の整体でヒントをもらって、いじったら正解でしたね」と手ごたえをつかんでいた。
最終日はアクシデントこそあったが、伊藤颯馬の動きを見極めての追い込みでシリーズを白星で締めた。そして、来月には地元・松阪記念が控える。
「連日、動いた分だけ、こうやっていい展開として返ってくるんだなと改めて思いましたね。準決勝は苦しいもがきだったけど、やっぱり自分には自力があっているなと走っていて感じました。それにやっと涼しくなってきて、動けるようになってきた」と、近況は番手戦も増えてきたが、自力でこそ持ち味を出せることを改めて実感した。
「今回の感触だと、決勝に乗れる手ごたえがあっただけに、悔しいけど地元記念に向けて状態は上がってきていると思う」と、22年、23年と決勝に勝ち進んでいるホーム開催の地元記念へ向けて順調な仕上がりをみせている。

小川真太郎
小川真太郎は7月の函館からFI戦を3場所連続で優勝。勢いをもって参戦した今開催は未勝利ながらも堅実な走りと準決勝は絶体絶命の位置から驚異の伸びも披露。決勝は3着となったが、期する思いを抱いている。
「小松島記念での古性(優作)さんのコメントが響きましたよね。地元で小倉(竜二)さんの前を回る人がいないってコメント。響くところが自分にもありました。自分が前を走れるように。後輩に(その役割を)任すのもあれですし、自分はまだ(小倉竜二の前を回るのを)諦めていないので」と、四国の御大・小倉竜二の前を回るということの重みと意味を、古性優作という競輪界トップに君臨する選手の口から発せられたことで思うことがあった様子。
「決勝もちゃんと割ることができたらよかったけど。いままでやっていなかったことですし。ゴール線を1着で通過することをもっと意識してこれからやっていかないといけないなと感じました。できないことにもチャレンジしていって、できることもしっかりとやっていきたい。そういうことをしっかりと時間をかけてやっていって、後輩に示していけたら」
今年34歳となり、中堅どころとなった。オールスターで後輩の犬伏湧也が優勝して、四国が近年にない盛り上がりをみせている。だからこそ、自分の立ち位置、後輩への示しのためにも、小川真太郎は変わろうとしている。
塩島嵩一朗は5月の取手FI決勝で落車して欠場。6月の岐阜GIIIで復帰するも2日目で途中欠場。そこから、なかなか波に乗れず、本来の力を出し切れずにいたが、今開催でやっと手ごたえをつかんだ。今開催は全てでバック線を先頭で通過。結果も1着、3着、2着と決勝にこそ上がれなかったが、内容ある走りで成績をまとめた。
「少しずつ戻ってきていますね。落車しないことが一番。最終日は流した分、踏み上がらなかった。全開で踏んでもつ脚をつけないとですね」と、復帰してからは落車することなく、レースをこなしてきて復調の手ごたえをつかんできた。
「今回、3日間、バックを取れたのは良かったですね。(落車から状態が上がってきたのは)時間が解決してくれています。一番良かったころと比べるといまの状態は87%ぐらいですね(笑)。100%に戻るようにコツコツと練習をやっていきたい」
今年はウィナーズカップに始まり、サマーナイト、オールスターとビッグ開催に3度出場。いまだ特別競輪での勝ち星こそないが、本人の言葉通り「コツコツと練習」を続ければ、ビッグ初勝利もそう遠くない未来に達成しそうだ。