パワー先行で魅せる深谷知
共同通信社杯直後の開催でトップクラスは少ない。そんな中、深谷知広の戦歴はひときわ光る。全日本選抜、ウィナーズカップ、オールスターで決勝に乗っていて、準決はいずれも最終バック先制の自力攻撃で乗り切っている。決勝では結果が出ていないもののの、ナショナルチームの練習で天性のスピードには一段と磨きがかかった印象だ。この大会は66、67周年を連覇した実績があり相性もいい。今シリーズのメンバーなら機動力を遺憾なく発揮して別線をねじ伏せよう。同県の岡村潤が深谷とタッグを組む。目標をつかんだときの捌き、差し脚はしっかりしていて、8月函館の初日特選は松谷秀のまくりに食い下がり2着。深谷の踏み出しを凌げば静岡ワンツーは有力だ。
攻め口多彩な山田英明も有力な優勝候補。ウィナーズカップで決勝4着の後はビッグレースでの優参はないものの、ダービー、高松宮記念杯は準決に進出している。8月小松島321着の決勝は先制有力な脇本勇、山本伸の後ろをキープすると、番手から自力に転じた山本を差し切っていて、持ち味を発揮しての優勝だった。上田尭弥の仕掛けに乗るか、好位置確保してのまくり、差しに持ち込めれば単は十分。
吉澤純平、武田豊樹の師弟コンビも好勝負が見込める。アキレス腱を断裂し、3カ月半ぶりの復帰戦だったサマーナイトはやや動きが重かった吉澤だが、2場所目の8月川崎G3では落ち付いた立ち回りから優勝をものにしていて、復調を感じさせる動きだった。うまくレースの流れに乗って自力を出せれば師弟コンビでの連独占もありうる。
北日本勢は強大な勢力を誇る。永澤剛、坂本貴史、嵯峨昇喜郎の地元勢に加えて佐々木雄一、阿部拓真ら充実のラインナップだ。前期は勝ち星がなかった永澤だが、7月立川では連勝で優参するなど、今期は8月末までに4勝しており差し脚に切れが出てきた。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。佐々木も伸びはいい。7月函館で準V、8月松戸記念では準決2着で決勝に乗っている。
東口善朋はG1常連の実力者で、競走得点は深谷に次ぐ第2位。オールスターでは23517着と3回の確定板入りを果たしている。今シリーズの近畿勢は上位陣の自力型が手薄の不利はあるが、鋭脚を発揮しての連食い込みには警戒したい。
1月豊橋記念で優勝するなど底力ある吉田敏洋も忘れてはならない。今年は波がある成績だったが、8月富山では3連勝で今年2V目を達成。これで弾みが付くか。
9月防府で逃げ切りVを飾った河端朋之は、ダッシュ力、トップスピードともに素晴らしいレベル。豪快な一撃には注意を払いたい。