健脚そろい熾烈なV争い
オールスターから中5日の開催なので、その結果で多少は評価が変わってくるかもしれないが、連の軸として最も信頼性が高いのは松浦悠士だろう。ビッグレースでは全日本選抜、ウィナーズカップでいずれもオール連対の準V、サマーナイト着では昨年に続き連覇を達成した。G3は2月奈良記念、4月川崎記念で優勝している。豊かなスピード、洗練されたレース運びには定評があり、今年の3連対率は7割を上回っている。犬伏湧也、小倉竜二の徳島勢とは別線勝負もありうるが、サマーナイトで好連係して、トップスピードの高さを実感した犬伏と再び組めるようなら鬼に金棒だ。大ベテラン小倉竜二も同地区の強豪がそろうシリーズに気合が入る。上位進出を果たすか。
対峙する平原康多は、2年連続でオールスターファン投票第1位に選出された。前期の成績は素晴らしく、1月大宮、3月大垣、4月武雄とG3で3V、ダービーでは3連勝で決勝に乗っている。高松宮記念杯の東準決で落車し、復帰戦のサマーナイトフェスティバル着はやや動きが重かったが、7月弥彦記念は着と立て直しに成功。平原を本命視する手も十分だ。宿口陽一も高松宮記念杯の東準決で落車したが、サマーナイトフェスティバルの予選は眞杉匠のまくりを差して勝っていて、体調に問題はない。平原に前を任されれば強気に攻める。
もう一人のSS班・佐藤慎太郎は差し脚の切れが増した印象がある。今年の勝率は29・5%で、昨年の19・5%を大きく上回っている。7月小松島記念までで18勝、早くも昨年に並んだ。G1はすべて優参を果たしていて、ダービーで準V。サマーナイトフェスティバルも着とまとめた。現在は獲得賞金ランキング第3位で、グランプリ出場をほぼ手中に修めている。ここは渡邉一成を目標に勝機を見い出す。その渡邉は6月久留米記念で優参、7月青森でVゲットなど持ち味の自力攻撃が冴えている。
昨年の後半から素晴らしい伸びを披露している荒井崇博にも魅力を感じる。ダービー着、高松宮記念杯着とG1で立て続けに決勝進出。サマーナイトフェスティバルでも着と連勝で優参を果たした。44歳ながら進化が止まらない不思議なベテランだ。好展開が巡ってくればものにできる状態にある。九州勢では嘉永泰斗にも注目したい。G1の参戦は今年からだが、全日本選抜、ダービー、高松宮記念杯と続けて準決にコマを進めている。ダービーの準決では荒井を連れて主導権を握り、荒井の優参に貢献した。
地元の中部勢では山口拳矢に期待がかかる。最近は好調時のようなスピードが影を潜めていたが、7月名古屋では3連勝。調子が上向いてきた印象だ。
69、70周年大会を連覇している稲垣裕之も忘れてはならない。調子もまずまずで3連覇に闘志を燃やす。サマーナイトフェスティバルで着と気を吐いた岩本俊介の一撃にも注意したい。