連覇を睥睨する太田海

太田海也

中野慎詞
次代を担う第121期生9名による一発勝負。機動力自慢の自力型がそろったが、ナショナルチームに選抜されていて、パリ五輪に出場した太田海也、中野慎詞のスピードが1枚上だ。
本命にはヤンググランプリ2023チャンプの太田を推す。昨年は正攻法から8番手に下げると、ジャンの3コーナーから反撃を開始。最終ホーム手前から仕掛けて先頭に躍り出ていた犬伏湧と激しいつば競り合いとなったが、最終バック線の手前で犬伏をねじ伏せると、後続を寄せ付けずに押し切った競走は圧巻だった。今年はパリ五輪後のオールスターから本業の競輪に参戦している。競輪祭は着と勝ち星こそなかったものの、5走すべて先行していて、ワールドレベルのスピードを猛アピール。調子に問題はなく、大会連覇に向けて視界は良好だ。連覇を達成なら初の偉業となる。
対峙する中野も昨年の大会に出場している。ジャン前に押さえて前に出たが、その後は内に詰まってしまい、まったく力を発揮できず7着。悔しい結果に終っただけに、今年はリベンジを期しての参戦となる。パリ五輪ではケイリンで落車したため、競輪は10月末の函館から走り始めて3連勝。競輪祭ではダイヤモンドレースにコマを進めると、12月大垣記念は3連勝で決勝に乗っている。スピードは太田に引けを取らないので、機動力を遺憾なく発揮なら主役を演じてもおかしくない。
両横綱に競走得点で続くのは先行力非凡な村田祐樹、後藤大輝だ。だが、村田は10月富山でS級初Vを飾った後は、F1戦でも決勝に乗れていないし、後藤はまだS級ではVがない。力の差があるのは否定できず、展開の味方を得られないと厳しいか。