news-detail-bnr
2026年9月13日 20時30分

刈込奈那が難病から復帰 ~青森競輪場~

126237
刈込奈那
319日ぶりに実戦復帰を果たす

「また先行したい」

 9月14日(月)から、青森競輪場でミッドナイト競輪が開催される。今節はガールズ開催。1Rで、刈込奈那(千葉・120期)が319日間の欠場から復帰する。

 昨年10月西武園を途中欠場。ガールズケイリンから突然姿を消した刈込は、選手会千葉支部の運営するブログで、後天性血栓性血小板減少性紫斑病(後天性TTP)、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、免疫性血小板減少症(ITP)、全身性エリテマトーデス(SLE)を患ったことを公表した。長い欠場期間を経て、今節から復帰する。久しぶりの前検作業を慌ただしく終えて取材に応じ、長期欠場に至った経緯を説明した。

 「血液と、免疫の病気でした。西武園を途中欠場して所沢の病院に運ばれたんですけど、その時に白血病かもしれないと言われました。そこから地元の千葉の病院に転院して、白血病ではなく、血液と、免疫の病気だとわかったんです。千葉の病院に転院して1週間くらいたった時に、意識がなくなってしまいました。ICU(集中治療室)にも入りましたし、いろんな人のおかげで今があると思います」

 一命をとりとめると、病因物質を含む血漿と献血由来の新しい血漿を交換する治療法(血漿交換治療)などを経て回復。今年の3月に退院し、悩んだ末に選手として復帰する道を歩み始めた。

 「(選手を)続けたい気持ちはあったけど、もう厳しいのかなって。それに、血漿交換で、献血からつないでもらった命で、危険のある競技に復帰していいのかなって悩みました。何かあったらって。でも、私がかかった病気は、検索してもほとんど情報が出てこないような病気なんです。私なんて全然有名じゃないかもしれないですけど、同じ病気の人に、私が走ることで勇気を与えられたらと思って、復帰を目指しました」

 4月からジムでのトレーニングを再開したが「最初はすぐに体調が悪くなってしまった」と、決して平たんな道のりではなかった。そこから徐々に強度を上げて、主治医からの許可がおりると、8月からは千葉250ドームで自転車に乗っての練習を開始。復帰試験をクリアして、カムバックを果たす。初日のコメントは「先行したい」だ。

 「ずっとこういう戦法だから、みんなが復帰を待っててくれたのかなって思うんです。それに、最後に西武園で走ったレースが、自分から動けなくてすごく悔しくて、それが心残りでした。また先行したいですね。本当に支えてくださったみなさんのおかげで復帰できますし、ありがとうございます。と、書いておいてください(笑)。みなさんに、元気な姿を見せられればなと思います」

 代謝の危機に直面しようとも、落車で大怪我を負おうとも、デビューからずっと風を切り続けてきた。その刈込が、命の危機を乗り越えて319日ぶりにバンクに戻ってくる。走ることが、誰かの勇気になるかもしれない。もう一度の競輪人生。リスタートとなる明日の一走も、誰かのために、自分のために、まっすぐに風を切る。

記者アイコン

熊谷洋祐記者

開催情報

関連記事