特班目指す長田龍拳に高い壁

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木村直隆
自力型を好操縦から抜け出すか
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長田龍拳
強敵を倒して在所1位の実力を示す
1・2班戦は鋭脚・木村直隆に期待

 月も変わって9月2日から大垣ミッドナイトが開催される。1・2班戦は、層の厚い近畿勢がV争いをリードしよう。ラインの主軸を担うのは木村直隆だ。今期は1年ぶりのA級戦。初戦の7月和歌山は準V。その後も手堅くV争いに加わっている。今シリーズは佐山寛明、伊藤歩登と機動型がしっかりしている点が何よりも心強く、展開有利にチャンスをモノにしよう。佐山は7月向日町で1・2班戦初優勝を達成。徹底先行のスタイルで着実にパワーアップしている。
 巴直也が率いる南関勢も好勝負必至だろう。今期は初戦の地元川崎でVスタート。その後も好調を維持している。小島歩が8月前橋で落車しているのは気掛かりだが、状態を戻して出走なら神奈川ワンツーは十分考えられるところ。
 中部勢は岩本和也がシリーズトップの競走得点を誇る。1・2班戦最年長優勝記録を持つ57歳の萩原操の走りにも注目が集まるが、地区の機動型が手薄では連下までの狙いだろう。佐藤愼太郎も同様だ。

 木村は、昨年後期に落車が続いて降級となったが、前期にはシャープな差し脚が戻り、記念開催も含めて5勝、2着5回、3着5回と安定した戦績を残している。2月松阪の準決では渡邉一、島川将を破る大ヒットも飛ばしていた。それだけに、1年ぶりのA級は上々の滑り出しで、“練習も順調だし、感触は悪くない。余裕もありますよ”と、全ての場所で優勝を争っている。7月向日町の初日特選で中村一の上がり11秒4の快速まくりを差し切って勝ったレースなどまさに真骨頂だった。ここはラインの機動型を好ガードで盛り立てつつ、最後は鋭脚を発揮して今期初Vをゲットする。

 チャレンジでは、在所ナンバーワンの長田龍拳が特班を目指す。本格デビュー戦の7月伊東決勝で不運の落車に遭い出世争いに一歩出遅れたが、これでリズムを乱すことなく次走の静岡、8月函館ミッドナイトを走って6連勝。高校時代に高校総体、国体スプリントを優勝しているスプリンターで、養成所では能力評価でオールAを獲得してHPD教場入り、主にまくりで勝ち星を量産してきた実力はダテではなかった。そのダッシュ、スピードは強烈そのもので、函館の決勝はホーム6番手から上がり11秒3の快速まくりを決めて圧勝だった。一足先に特班していった同期はさることながら、すでにGI出場まで果たしている早期卒業生の寺崎浩をライバル視しているならここでは止まれない。悔いを残さないように、年長の鈴木陸来の前で自力勝負。しっかり結果を出してみせる。
 だが、ここは敵も強力そのもの。チャレンジでは一度も連を外していない橋本優己と、8月に松阪ミッドナイト、和歌山を走ってともに優勝とレベルの違いを遺憾なく発揮している橋本英也の地元コンビの壁は非常に高い。しかも中部には下岡将也も控える。

権田浩一記者

2020年8月31日 18時20分

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