接戦ムードの3地区対抗戦 ~佐世保ミッドナイト~

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好永晃
戦法を使い分けて結果を追求する
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山川奨太
実力は十分。初Vを決めてみせる

 本日、10月14日開幕の佐世保ミッドナイトは、中国、四国、九州の地区対抗戦だが、ラインの総合力で、橋本瑠偉、好永晃の佐賀コンビに、那須久幸、中村雅仁とそろった地元九州勢から。本命の好永は降級してからVがないものの、6場所全て優参していて手堅い。位置を取ってのタテ脚勝負という自在戦から、九州の若手機動型の台頭も受けて追い込み主体に戦法を固め、ここは橋本の番手でしっかり自分の仕事をするだけ。7月別府を逃げ切って優勝している橋本が好機に飛び出せば、勝機は逃さない。
 対する晝田宗一郎、守谷陽介、格上の立花成泰の岡山トリオも魅力たっぷり。晝田は何と言っても、特進リーチだったスーパールーキーの町田太の反撃を合わせ切り、岩谷拓のまくりも許さず2着に逃げ粘った9月小倉ミッドナイト決勝の走りがインパクト大。先行意欲旺盛で、出切ってしまえば再び別線を完封してしまおう。その時は守谷にも流れが向きそう。守谷は9月玉野ミッドナイト決勝で篠原龍を封じて2着に逃げ粘ったように自力も健在。晝田の番手すんなりなら大いにVへ近付く。
 四国勢は、今村麟太郎の先行力が頼り。

 本命に期待した好永は8月にも当所のミッドナイトを走っている。この時は未勝利だったものの、準決はラインの先頭で戦ってしっかり中団キープから2着と底力を示す内容だった。まだタテ脚も秘めていて、以前と変わらぬ流れに沿って自在に攻めるレースも見られるが、より追い込み主体にやっていくという決意が今期の走り。競られてもどんと来いだし、ヨコの動きなどしっかり番手の仕事をこなして着をまとめるレースが増えている。ここ数年はS級とA級のエレベーター状態が続いていて、S級では力不足の感が否めないが、逆にA級では常にS級点を取る脚を保っており、今期もこのまま順調ならS級点をいけそう。同県の橋本を盛り立てつつ今期初Vを決めるか。

 チャレンジは、山川奨太に初Vのチャンスが到来だ。本格デビュー後はここまで5場所走って全て決勝に進出し、落車した7月当所を除き、準V1回、3着3回と決勝でもきっちり確定板入りしている。「まだデビューしてから優勝できてないけど、焦りとかはないですね。まだ攻めのカードが少ない。自分は色んなことができる選手になりたいし、何でもできる選手になるためにも攻めのカードを増やしていきたい。脚質はどっちつかずで中途半端な感じだけど、今はトップスピードが高い選手が強い。自分もそこを強化していきたいと思ってます。熊本は同世代の選手が多いし、みんな真面目に練習してる。自分も自然とやらなきゃなって気持ちになってます」。当然、まだ成長途上だが、その機動力が非凡なのは格上の高井竜、同期の大平竜らを全く寄せ付けなかった最近の走りでも証明されている。ライバルとなりそうな松本一志は脚はあるものの、組み立てに難がある選手。ここは圧倒的な強さで優勝して波に乗っていきたい。

権田浩一記者

2020年10月14日 13時23分

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