菅田和宏が貫禄を示す ~松阪ミッドナイト~

photo-19980
菅田和宏
今期は番手戦で結果を出している
photo-19981
鈴木美教
本調子を取り戻しVへ視界良好

 前橋とともに10月21日から始まる松阪ミッドナイトは脚力伯仲のシリーズだが、降級の今期3Vの菅田和宏がややリードか。A級では機動力上位で、随所に敵を圧倒している。ただ、優勝は全て番手戦で、チャンスはきっちりモノにしている印象だ。8月大宮の優勝も、再び連係が予想される阿部架惟都を目標にしてのものだった。ここも好アシストからVをつかむ。その阿部が昇班後は大健闘だ。地脚を生かした積極策が売りも、チャレンジ時代はブレークし切れなかったのが、1・2班戦ではコンスタントに準決を突破している。同型が手薄なだけに、そろそろ決勝でも大駆けが望める。
 ホームの舛井幹雄や、10月富山を117着の富永益生、支部長職から降りて輝きが戻った藤原誠とベテランが元気な中部勢。吉川希望、重倉高史の機動型が奮起なら、好勝負可能だ。
 近畿勢は三田村謙祐次第だろう。三田村は長く腰痛に苦しみ、今年も8場所しか走っていない。8月福井、9月玉野ミッドナイトの準決で逃げ切っているように、仕上がっていればV戦線を賑わすだけに気になる。三田村が完調なら、8月大垣を制している田中俊充にも出番が巡りそう。

 菅田はS1班に通算7期在籍した実績を持つレーサー。18年以降はS級とA級のエレベーターが続いているが、A級ではさすがに力があるところを見せている。前期S級では大敗続きで連対すら果たせない苦戦を強いられたが、降級後は引きずることなく結果を出している。保科千を利して7月函館を制すると、8月西武園は後藤悠、同月大宮では阿部をそれぞれマークして連覇。5戦で3VとハイピッチでVを量産中だ。“最近は若手も頑張ってくれて流れが良い”。10月宇都宮は降級後初めて決勝を外したが、3日間、本来の最終バックを取る競走で、初日特選、最終日特選を2着、1着なら引き続き状態には不安がない。再び阿部とのタッグが期待されるだけに、またいい流れに乗っていけそう。

 ガールズは鈴木美教の力が一枚上。5月大垣ミッドナイトを最後に優勝が獲れない時期もあったが、開催休止期間に練習をしすぎて崩れていたペダリングを修正して8月静岡から3連覇を飾っている。勝負所で好位をキープしての自力戦は非常に安定感が高い。今年はここまでV7で、賞金ランク9位。賞金でのガールズグランプリ出場は厳しいが、勝てるレースは勝って、ガールズグランプリトライアルに向けて弾みを付けたい。
 荒牧聖未も車が出ていて好調。7月静岡、8月西武園と今期は2回の優勝があるし、直近4カ月の勝率は45%。鈴木より先に仕掛けられれば好勝負だろう。
 7月に連覇の実績がある中嶋里美。その後はやや元気ない印象もあったが、10月武雄412着で盛り返してきた。予選2では溜めての直線強襲ながら吉岡詩、大久保花をまとめて破っている。
 加瀬加奈子は今月だけで4本目の競走になる。さすがに疲れが心配されるが、直前の川崎も急な追加に関わらず積極的に仕掛けられていた。ここも勝負所で誰も行かなければ思い切って出て行きそう。鍵を握る存在だ。
 先行基本の積極策で早くもV歴がある新鋭・下条未悠、本来の機動力を取り戻しつつある吉村早耶香、自力自在戦で再びヒットを連発している亀川史華らも気になる存在だ。

権田浩一記者

2020年10月20日 17時05分

開催情報

ページトップへ