陣容豊富な近畿勢 ~奈良ミッドナイト~

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土生敦弘
吹っ切れて攻撃的な攻めを展開する
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橋本優己
試行錯誤の末、いよいよ特班に挑戦
チャレンジでは橋本優己が特班に挑む

 1月5日からの奈良ミッドナイトは、陣容豊富な近畿勢がV戦線をリードする。その中心になるのは土生敦弘、山本巨樹の大阪コンビだ。S級特進が懸かった12月大垣ミッドナイトは残念な結果に終わった土生だが、気落ちは全くない。S降りの強豪も、同じく売り出し中の若手も寄せ付けずに主導権奪取から、A級ならレベルの違う切れ味を持つ山本とのワンツー決着が有力だ。近畿では地元の小笹隼人、中野雄喜もVを争う機動型。まくり兼備のタテ脚を持つ市村昌樹もいて実に豪華な布陣だ。まとまって結束はないだろうが、近畿から優勝者が出る可能性は非常に高い。
 下岡優季、清水広幸、有賀高士の中部勢がどこまで抵抗できるか。S級では苦戦が目立った下岡だが、A級ならダッシュを効かした自力攻撃で存在感を見せ付けよう。
 石井洋輝、宮下一歩の東の積極タイプの動向も見逃せない。特に石井はラインがしっかりすれば一発ありそう。

 20年の内にS級戦士となることが期待された土生だったが、夢は叶わず。しかし、“スピードだけでは通用しないのがわかった。連勝も止まったし、切り替えて自分のレースをしていく”と続く豊橋では連日思い切った走りを披露。決勝で番手を回って優勝した北川大が“あんなに早くから突っ張ると思わなかった。強かったし、いいレースをしてくれました”と絶賛していたほど。デビューの期で117期一番と言ってもいい成長を見せた新星はトップスピードに乗り切るまでの加速力が非凡なダッシュタイプだが、先を見据えてガンガン先行で勝負していく。新年は有言実行のより攻撃的なレースが期待できるし、今シリーズもレースをリードしていくのは土生だ。

 1・2班戦と同様、チャレンジ戦も強力な新人がそろって見所が多い。中村隆生、佐々木和紀、橋本優己、安藤直希の誰が勝っても不思議ないが、新年初戦のこの場所に特班を懸ける橋本が最も注目を集める存在となる。本デビュー戦の7月松阪ミッドナイトでいきなり完全優勝と順調なスタートを切った橋本。その後は“内容重視で”先行にこだわった走りを展開している。“パワーがうまく自転車に伝わってなかったり、フレームとかセッティングとか色々試行錯誤して”、優勝の逃す場所が続いた時期もあったが、かみ合ってきたのがここ2場所の完全優勝だろう。“連勝を気にすると固くなる。意識せず長い距離を踏んで勝負したい”と前走を走る前は話していたが、ここまできたら“狙っていく。内容も結果も求めて”。手強い同期のライバル達に勝って、新年を特班からスタートさせる。

権田浩一記者

2021年1月4日 21時15分

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