当時、私は高校１年生。憧れの新谷隆広さんの弟子となり、日曜日や祝日には【新撰組】に行き、現役バリバリのプロの競輪選手の皆さんに稽古を付けて貰える天国の様な日々を送っていました。街道練習では先頭交代から始まり段々とペースも上がり、最後は千切り合いになりバラバラになります。ハァ～ハァ～しているとまた再び隊列が戻り先頭交代が始まります。今思えばかなりのインターバルトレーニングです！千切り合いの最後は意識が遠くなり、肺が爆発しそうなくらい苦しかったけれど、無我夢中で何とか食らい付いて行ったのを思い出します。しかし先頭交代はまだ練習の始めのウォーミングアップです。そこからはもがき中心に街道練習は進みます。各コース、もがくポイントが決まっていて、もちろん年下の私が先頭で風を切ります。「お願いしまーす！」と気合を入れて一気に全力でダッシュしますが、私のかかりが悪いとすかさず捲られてしまいます。その時は物凄く悔しくて悔しくて家に帰ってからも自分自身に腹が立ちローラーに乗ったり筋トレをしました。
　今思うと私は高校一年生からずっと負ける自分が許せず、毎日自分自身に苛立ちを感じて誰にも負けない強さを求めるようになっていきました。高校一年生の時からその様な思いになれたのもレミントンサイクルの春日さんに新谷隆広選手を紹介していただき新撰組に入れて頂けてプロの方々に揉まれ稽古を付けて頂けたからだと今でも感謝しています。そこが私の自転車競技者としての原点でした。