第12回 輝いて見えた競輪選手 2018年5月16日
高校一年生の私から見たプロの競輪選手は、S級もA級もB級も変わらず、皆さんすべてが輝いて見えて格好いい憧れの存在でした。S級は赤ラインに白い星が7つ! A級は白いラインが3本! B級は白いラインが2本! 新人選手は黄色いラインが2本! どれも私には格好良く見えていました。ランク云々ではなく、競輪選手という仕事をして生計を立てている事の特殊性が、私は非常に魅力的に感じていました。
しかも日本で初めて賞金一億円を稼いだのは、プロスポーツ界では中野浩一さんで競輪が初! そんなジャパニーズドリームを当時夢見ていました。確かに当時競輪選手は殆どの人が外車に乗っていました。前橋競輪場へ練習に行くと外車が並んでいます。ハンドルは左! スーパーカーブームに少しだけ引っ掛かっていた年代の私には堪らない光景でした。ベンツのAMGやBMWアルピナ・キャデラック・リンカーン・トランザム・カマロ・コルベット等々、どんなに疲れていても毎日競輪場へ練習に行くのが本当に楽しみでした。エンジンのかからない母親の車を押してエンジンをかけている後閑家から見たら、競輪選手の生活は想像も出来ない夢の世界! 俺も競輪選手になったら親孝行をして後輩に夢を与える選手になりたいと思いながら、プロになったらベンツのAMGがいいだの、フェラーリだのランボルギーニだのと乗りたい車をイメージしてはニヤニヤしながら毎日が夢と希望で溢れかえっていました。