私の母校は群馬県私立前橋育英高等学校です。自転車部は上下関係が非常に厳しく、一年生の私達から見たら三年生は神！と言われるくらい威厳があり、毎日学校でも先輩達に気を使いまくり、お使いや部室の整理整頓等をしていました。二年生は三年生に無礼が無いように一年生に厳しく身の回りを面倒見るように教え込みます。部室の無い一年生の私達は、毎日朝から外で一列に並んで先輩達に呼ばれるのをひたすら待ちます。先輩の部室から「おーい！いちねぇーん！」と声がかかると「はい！」と大きな返事をして１人が部室に駆け込みます。それが毎日、本当に苦痛な時間でしたが、私はあまり使われなくなってきました。
　多分、高校一年生ながら国体の予選で、いきなり1000ｍＴＴで１分12秒43を叩き出したので、二年生からすると、イタリアンレース（現在のチームスプリント）や団体追い抜き競走等の戦力になるのではないかと、思い始めていたのではないかと思います。毎日部活でもがき、休みの日は新撰組でプロの選手ともがく日々、自分でも強くなっているのが分かるくらいに体は成長していきました。当時、自転車のセッティングもプロの方一人一人の寸法を計り、メモしてありましたから、自分でも実際に色々と試行錯誤しながら真似をして乗ってみたり、他の一年生よりも情報はたくさんありましたので、その点でも恵まれていました。その頃から私の探究心は人一倍、いや、十倍以上はあったと思います。