クロスカントリーの大会で作新学院の神山雄一郎選手の強さを目の当たりにした俺は、天と地ほどの差に暫くやる気が起きませんでした。よっぽどショックだったのでしょう。育英高校を引っ張っていくんだ！くらいの自惚れた気持ちでいた自分に恥ずかしさを感じていました。井の中の蛙とは正にこの事です。練習も何をしたらあそこまでの脚力になれるのか？でも神山雄一郎選手の体を見た印象はスラッとしていて体の線は細く、プロの競輪選手の様なガッチリした体格ではない。自転車は筋肉だけではないのではないか？ということを何となく神山雄一郎選手からその時に感じさせて貰いました。
　それからというもの、クロスカントリーでの神山雄一郎選手の走り方を思い出しては真似をしての繰り返しの作業が始まりました。父親との朝練習も平地から急な山道に変更です。クロスカントリーで見た神山雄一郎選手の乗車フォームも覚えている限り再現をして、どうしたらあんなに力感なくスピードが出るのだろう？と高校一年生から二年生になる時はその事だけし考えていませんでした。俺がロードレースに興味を持ち始めた瞬間です！それからというもの俺の練習はピストレーサーの練習もしていましたが、ロードレーサーの練習もするようになりました。そして学校の先生にもお願いをして、ロードレースの大会にもエントリーをしてもらえる様にお願いしました。そしてロードレースの大会も決まり福島県に初めてロードレースの遠征に行きました。