不撓不屈・ボスの自転車人生

不撓不屈・ボスの自転車人生

後閑 信一 後閑 信一 ごかん しんいち 元競輪選手  平成2年4月に65期生としてデビュー。落車による大ケガや数々の困難を不撓不屈の精神で克服。第46回競輪祭、第15回寛仁親王牌、第56回オールスターとG1で3V。面倒見いい親分肌と風貌から〝ボス″と称された。平成30年1月引退。通算成績は2158戦551勝、2着311回、3着255回。

第18回 質の源はプロともがく緊張感  2018年6月28日

 クロスカントリーのレースで自分のレベルの低さを痛感した俺は、今まで以上に練習量を増やしました。朝4時に起き、父親のバイクの後ろに付いて山道を20キロ程走ってから学校へ行きます。そして放課後にロード練習か、前橋競輪場へ行き部活で暗くなるまでもがく。帰宅してからも毎日ローラー乗る事が日課になりました。当時、こなしていたメニューはウォーミングアップ30分 10秒もがき10本・インターバル50秒 30秒もがき5本・インターバル2分 1分もがき3本・インターバルは呼吸が整い次第です。そしてクールダウン。それを毎日やり抜きました。
 みるみる体は大きくなり高校2年生を迎えました。2年生になると本格的に大会へ出られる様になります。後輩も出来、先輩からの厳しさもなくなり、毎日が楽しくてしょうがなかったです。休みの日には新撰組へ行きプロと練習が出来る。今、考えると、こんなに環境に恵まれていた高校生がどこにいたでしょうか?強くなると決めつけて疑わなかったのは、やはり練習量ともがきの質だったと思います。量は分かるが、質とは何か?と聞かれたら、当時の俺の質の源はプロともがく時の、凄い緊張感だと思っています。ダッシュもしっかりしないとプロにすぐに捲られ、情けない思いをしてしまいます。そんな思いはしたくないので、一本一本真剣に全開で必死でもがいていました。このプレッシャーの中で出来る環境がとても恵まれていました。高校2年生は毎日が楽しくなっていきました。

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