五十嵐綾 選手 スポット・インタビュー
持ち味を出してS級初勝利

グランドスラマーの新田祐大にS班の佐藤慎太郎、佐々木雄一、渡部幸訓…。小松島記念でのそうそうたる福島のメンバーのなかに、初々しい五十嵐綾の姿があった。S級デビューの今シリーズは、師匠の金成和幸とのセット。それでも気おくれするところがあって当然だろう。
「おぉ、さばけるんだなぁ」
3日目に挙げたS級初勝利の五十嵐を見つけて、佐藤がこう声をかけると、五十嵐は照れくさそうに笑った。
「(3日目の1着は)レース内容としては、どうかなっていうのがあります。(周りから)どう見られているのかっていうのも考えていかないと。賛否両論はあると思うけど、自分は先行だけでやっていくタイプじゃない。自分のスタイルでやっていきたい。自在性がひとつの強みでもあるんで、そこを伸ばしていきたい」
野口裕史相手の一次予選は、中団確保の目論みだったが、田中誠の強烈なブロックに阻まれた。師匠とのセットだった2日目は、先行策で別線にまくらせはしなかったが5着に沈んだ。迎えた3日目は後方から打鐘2センターで巻き返すと、最終ホームからインを突いて、逃げた古屋琢晶の番手まで押し上げる。切れ目の3番手なら楽に奪取できていただろうが、二藤元太をさばいて番手からのまくりで勝ち切った。
「ジャンでもうワンテンポ早く行ければ楽になるけど、自分はスピードをもらわないと、立ち上げる力がない。もうちょっとスピードをもらいたくてああなりました。結果的に内のコースを見つけて、初めてエックスしてうまくいった。3番手で止まるか迷ったけど、行けるところまでと思ってた。一発でさばけたんで良かった」
自身のセールスポイントを生かしての1着。「(競技で)ポイントレースとかエリミネイションをやってたし、ああいうのが好きなんだと思う。なんでもできるのに、先行して9着になって終わるんじゃつまらないでしょ。まずはやってみないと」と、金成自身は、88期の在校ナンバーワンとしての苦労も味わっただけに、こう言ってやさしい顔になる。
「最終日もそうですけど、まだA級の甘さがある。まずは脚をつけていかないと、脚が全然違う。いい勉強になりました」
23歳、まずはS級のなかで、なにを感じ取れるかが大事だろう。