湊聖二選手徳島Ｓ級１班プロフィールスポット・インタビュー｜　当たる競輪（けいりん・KEIRIN）無料予想はエンジョイ

　昨年10月の名古屋Ｆ１で落車。左足の大腿骨を骨折する大怪我を負った。左足はあらぬ方向に曲がり、翌日、担当医から「復帰できる」の言葉を聞くまでは引退も考えたという。
　２度の手術を経て、自転車に乗れるようになったのは３月から。４月からはバンクに入っての練習を再開したが、「周回練習で離れ、モガきにはついていけない。今までは自力で70キロくらい出てたのが50キロも出なかった」。想像以上に脚力は落ちていた。復帰の目安にしたのは自力で65キロ出すこと。湊は63キロが出た時点で復帰にＧＯサインを出した。
　復帰戦となったのは７月松山Ｆ１だった。「緊張したし、不安が半分以上だった」。結果は５８６着に終わったが、「思ったよりいけた」と久々の実戦に手応えを感じた。松山の感触次第では再度欠場、調整も考えたが、その心配もなくなった。
　「追い込まれたなかで、どれだけ走れるか。今の自分の力を知りたかった。反応とかレース勘とかまだまだだけど、走れそうですね」
　松山には新田康仁もいた。昨年11月競輪祭の落車で恥骨結合離開という大怪我をした新田との会話も湊の背中を押した。
　「色々教えてもらいました。簡単に言えば、頑張るしかないし、走らないと戻らないってこと。僕もガンガン走っていこうと思う」
　今はまだ復帰しただけ。「今が一番の底なんで」と話すように完全復活にはまだ時間がかかるだろう。それでも復帰２戦目の高松Ｆ１ではラインの助け、周囲の助けがあって３２０日ぶりの白星を飾った。「危なく泣きそうになった」と照れくさそうに笑うが、これはあくまでも復活へ第一歩だ。「怪我をした選手にすげえと言ってもらえるように。そして手本になれるように」。大怪我をモチベーションに変える。その気持ちがあるかぎり、湊は必ず本来の強さを取り戻す。　　　　　（音無）

2019年1月18日更新

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