小野俊が番手で牙をむく

　中近の追い込み型がそろって姿を消し、1小野は7脇本の番手というスペシャルシートが転がり込んできた。「競ったり３番手はあるけど、すんなり番手を回るのは初」と囲まれた記者に1小野は笑顔で答えた。
　準決勝は決して楽な展開ではなかった。目標にした松川高が小埜正に叩かれると、海野敦を飛ばして３番手にスイッチ。そこから直線鋭く突き抜けた。
　「４・２５のギアがいまいちだったんで今日から４・３３に変えてセッティングも調整した。ある程度はレースに関して自信があった」
　競輪祭でも使った４・３３のギアにしてタテにヨコに縦横無尽の走りが凄みを増した。「優勝に一番近い」と話す7脇本の番手。ダービー特選スタートのための賞金、そして今回は井上昌己に代わっての参戦と発奮材料は多い。九州勢の牙城は必ずこの男が守ってくれるはずだ。