生まれ故郷で平原康多が記念V
新潟の岩室で生まれ育った平原康多が、当所の記念初優勝を飾った。
「弥彦での優勝は(03年)A級以来です。いつも野次ばっかりだったんですけど、今日(決勝)は暖かい声援が聞こえました(笑)。ものすごいホッとしています」
赤板の2コーナーから仕掛けた渡邉一成に合わせて郡司浩平が一気に踏み上げると、冷静に立ち回った平原は最終2コーナーからまくって後続を振り切った。
「郡司が後ろから来て中団になった時に、本当は(渡邉)一成より先に仕掛けたかったんですけど、(渡邉の仕掛けが)早かったですね。郡司もものすごい先行でした。(最終)ホームで一成を入れてからの判断は難しかったけど、外を行かなくて良かったです。9車立てなら郡司が出て、もう一つのラインが出て、一成が行くっていう展開だったと思うんですけど、7車立ては展開がもう一つないっていう部分が難しかったですね。展開が見え見えなので、そこは僕には向いてないです…(笑)」
そうとは言っても、持ち味の巧いレース運びとレースセンスで3月松山以来、23回目の記念V。次走のオールスターに向けて今回から導入した新車にも、手応えを感じていた。
「まだ煮詰める部分は多いけど、方向性は見えてきた感じがします。ちょっと前のフレームだと、郡司の横で止まっていたかもしれないですね。もう一加速してまくり切れているので、あとはトップスピードを上げていきたい。G1で優勝するために日々、自分なりに努力しているつもりなので、オールスターに照準を合わせていきたいです」
従来の9車立てで争われるG1戦で、17年全日本選抜以来の優勝を目指す。
地元記念4連覇を狙った諸橋愛だったが、2センターで受けた鈴木裕のブロックで平原に付き切れず、2着でゴールした。
「残念ですね。(けん制されないように)ちょっと外を走っていたけど、キック(鈴木)が思ったより体重を入れてきました。良い感じで追い込んでいたし、そこまでも良い感じだったけど運がなかったですね。(平原)康多も行ってくれて、絶好だったんですけどね…」
目標の渡邉が出切れないと見た小松崎大地は、最終ホームで諸橋の後ろに降りて立て直し、3コーナー過ぎからタテに踏んで3着に入った。
「(渡邉に)何もしてあげられなかったので、そこは反省点ですね。(渡邉を)迎え入れようと思ったけど、降りれるところもなかったです。平原君より先に仕掛けられたら良かったけど、先に行かれてしまいました。(北日本の)若い子が成長してきているので、自分もそういう意味で成長していかないといけないですね」