• 佐世保競輪場開設74周年記念九十九島賞争奪戦12/19〜12/22

後記 GⅢ 佐世保 12/19

豪快な一撃で記念初制覇

窓場千加頼

窓場千加頼

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 今年大ブレイクを果たした窓場千加頼が、念願のG3初制覇を達成。集大成となる今年最後の開催を、最高の形で締めくくった。
 後ろ攻めに置かれた窓場は、青板バックから上昇開始。まずは、深谷知広の突っ張りを封じて、レースに流れを作った。
 「今は赤板がキーポイントだと思う。車番が悪かったんで、まず赤板でしっかり切って、深谷さんの動きを待ってからかなと。赤板で切ったから、次の動きにつながったんだと思います」
 松浦悠士がさらにインを切って、佐々木悠葵が打鐘過ぎから先行。窓場は深谷を後方に置いた、5番手のポジショニング。松浦が最終2コーナー過ぎからまくった上を、窓場はスピードの違いでのみ込んでいく。松浦を乗り越えて、最終2センターでは単独の先頭。稲川翔をさばいて切り替えた荒井崇博が、追いすがるが、窓場を脅かすまではいかない。先頭でゴール線を駆け抜けてすぐ、窓場は左手をぐっと握りしめた。
 「佐々木君が本当にカカった先行だったんですけど、その上を行った松浦さんのスピードをもらって、まくることができた。ゴールも隣に誰か並んできてるだろうなと思っていました。誰もいないことが確認できて、手を上げました」
 デビュー14年目でつかんだG3初V。低迷していた時期を乗り越えて、今年は秘めたポテンシャルが一気に開花した。ウィナーズカップでビッグレース初優出を決め、オールスターは、古性優作とのワンツーで準V。戦うステージが上がると、勝利へのどん欲さも増した。地元記念では、別線勝負を選択した脇本雄太に敗れ、悔しさも味わった。
 「(デビューから)長かったです。腐った時期もあったけど、もう一度頑張ろうと思えたのは、同期の古性さんの活躍だし、古性さんと、脇本さんと、ウィナーズカップの決勝を走れたことがきっかけになった。近畿の自力選手として、成長しないとなと思ったし、後輩を育てていきたいと思った。(今年は)大事なところで2着だったし、何かを埋めないと優勝はできないと思ってた。それがこんなに早く優勝できたことは、自分でも驚きですし、成長できてるのかなと思います」
 この初優勝を足掛かりに、来年は次の目標へ。着実にステップアップして、さらに一段飛躍する。
 「やっとG3を獲ったなって感覚ですし、実感はないです。これをステップにして、GIを獲ることを目標にしたい。来月に和歌山記念がありますし、全日本選抜もすぐにある。近畿として総力戦で戦っていきたいです」
 今、最もタイトルに近い男が、最高のリズムで年始を迎える。

 松浦が、窓場に上を行かれると、荒井崇博は、稲川翔をさばいて窓場にスイッチ。直線で詰め寄るも2着で、地元記念連覇を逃した。
 「もう、悔しいね。1着が欲しかったんで。(勝ち上がりは)そういう(人気を背負う)番組だったんでね。期待に応えたいと思ってた。本命だったんで、悔しい。それだけ」

 深谷知広は、最終バックで8番手。まくりの効かない佐世保バンクでは確定板入りすら絶望的な位置から、大外を踏み込んで3着まで車を伸ばした。
 「初手は想定通りで、あとは、みんな切るのがすんなりだったし、思っていたよりも良い展開だった。ジャン過ぎにカマせるところがあったし、(チャンスは)そこでした。(まくって)越えた感じだったけど、前が遠かった。なんとか(渡邉)雅也とワンツーをと考えたけど、残念でした」

Race Playback

レース展開4
 先に仕掛けた松浦悠士選手を追ってまくった窓場千加頼選手が記念初Vを達成。物凄い気迫で逆転を目指した荒井崇博選手は及ばず2着で地元記念連覇はならなかった

レース経過

誘導員 : 西田将士

 渡邉雅也がスタートで飛び出して誘導員の後ろを取る。深谷知広-渡邉雅也、松浦悠士-荒井崇博、佐々木悠葵-末木浩二、窓場千加頼-稲川翔-村田雅一での周回となる。 青板2コーナーから窓場が上昇を開始。赤板過ぎに窓場が深谷を押さえると、松浦がその上を切る。打鐘過ぎには佐々木が松浦をさらに押さえる目まぐるしい展開。佐々木がそのまま先行態勢に入って3番手に松浦、5番手に窓場、深谷は8番手になって最終ホームを通過する。2コーナーあたりから松浦が詰めてまくりって出る。佐々木との車間を切っていた末木が合わせようとするが、しのいだ松浦が佐々木に並びかける。だが、追ってバックからまくった窓場のスピードが良い。2センターでは佐々木、松浦の上をあっさり乗り越えてしまう。松浦がまくられると、稲川を飛ばして荒井が猛然と窓場を追う。ゴール前では荒井が詰め寄ったが、4分の3車輪振り切った窓場がV。後方に置かれた深谷は2センターから大外を踏み上げるも両者から離れた3着までだった。

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