ピックアップ GⅢ 豊橋 01/28
1月28日から4日間開催された豊橋競輪開場71周年記念「ちぎり賞争奪戦」。ホームの金子貴志が一次予選で敗れる波乱もあったが、仲間の思いを背負って勝ち進んだ吉田敏洋が愛知勢からただ一人優出に成功。今年から静岡登録となった深谷知広や、松浦悠士、佐藤慎太郎ら強敵がそろった決勝を制して、地元優勝を達成してみせた。
昨年9月の共同通信社杯で第一腰椎を骨折した柴崎淳にとっては、今シリーズが復帰後初めての記念開催だった。一次予選では見事、先行策で別線を完封するも、まだまだ完全な状態ではないと話す。
「競輪祭が終わったくらいから自転車に乗り始めました。病院の先生に復帰はまだ早いって言われたけど、プロとしてこれで生きている以上はしょうがない。ケガする前と比べると、今は2割くらいですかね。エンジンになる大事なところを骨折したから、元通りになるかは分からないし、未知。それでも復帰してレースを走ると応援してくれてる人がいて、温かい声援をもらえるのでうれしいし、期待してもらっているぶん、前の状態に少しでも近づけるように頑張りたいです」
準決勝は深谷にまくられて8着に敗れた眞杉匠だが、4日間、最終バックを取って2連対。存在感を放っていた。
「冬はカカっていく感じがしなくて、去年は95点くらいしかなかった。でも今年は10点以上、上がっているし、前よりは周りが見えるようになったのかなと思います。二次予選は単騎で相手も強いのに、なぜか僕も(車券が)売れていた。自分なら絶対に買えないですよ(笑)。今までなら焦ってダメなタイミングで仕掛けて浮いて終わっていたけど、最近は落ち着いて走れているのかなと思います。中2日で高松記念の追加をもらったので、そろそろ記念の決勝に上がってみたい」
菊池竣太朗は、鋭いまくりでシリーズ2勝。一次予選では、最終2コーナーまくりで番手の岡村潤を振り切って白星を挙げた。
「先行するつもりもあるので、気持ち的に余裕を持って走れている感じがします。練習でも(岡村)潤さんに差されなかったことがなかったので、自信になります。今回は今までやってきたことのまとめが出せたというか、自力もヨコも見せられたので、いいメンバーがそろった中で少しは名前を覚えてもらえたんじゃないかなって思う。自分のスタイルを確立できてきた気がするので、もっと脚力をつけて上位の人を相手にも戦えるようにしたいです」
記念シリーズ初参戦の脇本勇希は、収穫の多い開催となった。
「記念はレース内容もメンバーもキツかったです。やりたいとこができないし、やったとしても勝てない。今回はバックの風が強かったので、(別線に)来られるんじゃないかと思って毎日12割くらいで踏んでいたので、最後は脚が残ってなかったです。今はしっかり逃げるレースがしたい。3日目みたいな(内につつまれて流れ込みの)レースはモヤモヤして、すっきりしない。3日目も最終日も4着だったけど、最終日みたいに出し切って4着の方が気分はいいし、次につながる気がします。もうちょっと踏まなくてもいいところを見つけられたら、最後の4コーナーから踏める脚が残せると思うから、走って、走って、経験を積んでレースを勉強していきたいです」