競輪と違う楽しみ ~TIPSTAR DOME CHIBA~

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志田龍星がPIST6を連続完全V
PIST6で見出される新たな可能性

 12月11、12日の週末に「TIPSTAR DOME CHIBA(ティップスタードームチバ)」でPIST6のジャパンヒーローズのラウンド6が行われた。無傷の4連勝で優勝を遂げたのはA級2班の志田龍星(岐阜・119期)。ファイナルでは志田以外がS級レーサーというメンバーのなかで、5月にデビューしたルーキーとは思えない冷静な立ち回りからのまくりでS級レーサーを仕留めた。
 7月にチャレンジで本格デビューを果たした志田は、10月にA級2班に特班した。このまま競輪で勝ち続けたとしても、S級への特進は年が明けるのを待たなければならない。すでに11月のラウンド4でも圧巻のVを決めていた志田だが、今シリーズのファイナルにはG戦線を賑わせる岩本俊介ら骨っぽい選手がいた。それだけにS級上位選手との激突は興味深かった。ただ、志田に関して言えば、単勝でも断然の1番人気。“ジャイアントキリング”というわけではなく、堂々の人気に応えての優勝だった。
 ルーキーシリーズ、チャレンジを見ていると、これってS級でも通用するんじゃないかと思わされるパフォーマンスがある。昨年5月小倉でのルーキーシリーズ決勝での山口拳矢(岐阜・117期)が、そうだった。同期を“子ども扱い”と言うとオーバーかもしれないが、叩き出した上がり10秒6のタイムはインパクトがあった。その山口は順調に出世街道を突き進み、今年の9月には共同通信社杯でビッグ制覇。グランプリは惜しくも次点になったが、輪界の頂に立てるところまできているのは間違いない。ただ、山口のように難なく壁を乗り越える選手の方が例外的で、ポテンシャルを秘めながら足踏みしている選手も多い。その理由として、ラインのしがらみ、ルール、小倉、前橋以外は気象条件に左右される屋外バンク、また自転車の違いなどがあるだろう。単騎で気楽に一発狙ったら…、先行じゃなくて自分のタイミングでまくったら…、カーボンフレームで走らせたら…。そんな思いを記者自身が巡らせる選手も多くいる。選手だけでなく、ファンにとってもPIST6は新たなフィールドとなり得る。
 「(山口)拳矢さんとは一緒に練習させてもらうこともあります。(レースで)一緒に走れればいいですね」
 S級レーサーとして同県の山口とラインを組む志田。PIST6で山口に真っ向勝負を挑む志田。その両方を見られるチャンスがファンにはある。

竹内祥郎記者

2021年12月14日 02時27分

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