評価が高まる花田雄飛 ~取手競輪場~

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花田雄飛
前回の豊橋に続いての決勝進出を狙う
ムダな仕掛けがなくなった

 取手競輪場は9日からモーニング開催が行われている。第4レースでは新人の花田雄飛(愛知・127期)が中団のもつれを尻目に逃げ切った。

 逃げ切ったことについては「(中団がもつれ)持つ位置から落ち着いていけました。(中里福太郎がまくってきたが)強いイメージがあるし、自信になりました」。番手を回った塚本貴雄は「ポテンシャルがあるのは分かっていたけど、あんなに強い花ちゃん(花田)初めて見たで」と選手の評価も急上昇だ。

 成績が上向いている要因は何だろうか。前検日の話も総合すると「ムダな仕掛けがなくなった」ことに尽きるだろう。
以前は「前へ前へ」の走りで着に結びつかず「8月は勝つビジョンがなかった」と手詰まりの状態だった。
「師匠の金子貴志さんには僕がアマチュアの頃は教えてくれたけど、選手になったら『プロになったら自分で考えて』と言われました。もちろん、聞いたことは教えてもらえるのですが」。実戦を積み重ねてきて少しずつ力になっているのだろう。
 
 準決の話になると「朝は苦手なので。準決は少し後ろの時間のレースになる」と安堵していたが、もう一つ嬉しいことも待っていた。
準決は兵庫勢の2人(井上将志-藤井孝則)が付いてライン3車になったことだ。「最近は2車のレースが多かった。3車になったのは大きいです」。

 花田は時習館高校出身。愛知県内の公立高校ではトップクラスの進学校で東大、京大へ進む生徒もいる。その中で競輪選手を選択した花田は異例だ。
「大学受験を2度失敗して。体を動かす仕事に就こうと。周りの人からは僕が競輪学校を受験すると聞いて驚いていました」。
それでも競輪選手となった花田は徐々に力を付けている。まだ蕾の状態かもしれないが、いずれは大輪の花を咲かせてもおかしくない。

木村貴宏記者

2025年12月9日 16時25分

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