武井大の突き抜け

　レインボーカップは上位３名がＳ級へ特別昇級できるチャンスレース。今回集まった９人の中で来期Ｓ級点を確保できていないのは1野口と6紀井。３着以内に入らないと来期もＡ級暮らしが決定で、是が非でも３着以内に入りたいはずでモチベーションも相当高い。勝負賭けの6紀井に任された4山本は「6紀井さんに任されたし積極的に」と風を切る覚悟はすでにできており「後輩を信じて何とか３着以内に入る」と6紀井はシビアに番手まくりも視野に最後は一気踏み。
　1野口は一発狙いの自力勝負で車は良くても道中で脚力ロスを避けたいと思えば立ち遅れる危険性も。3宮越は決して運びが巧いとは言えず、スピード抜群の2坂本だが単騎では仕掛けどころが難しい。何より怖いのは岡山作戦に乗る9武井だろう。
　半年間のＡ級暮らしを振り返り「Ａ級といっても展開が厳しくなれば勝つのは簡単じゃない。最終バックで中団にいないと勝負権はない」と判断し岡山コンビの後ろを選択した。「自分は来期Ｓ級に戻ることが決まっているけどまだダービーの賞金を諦めた訳じゃないので。１００万という賞金は魅力的」と賞金加算を狙う9武井は２着では意味が無い。言ってしまえば３着権利の特別昇級よりもシビアな戦いで自慢の決め脚を発揮してゴール前は容赦なく突き抜ける。