佐藤慎が久々の記念V
「とにかくうれしい。記念なんかなかなか勝てないからね。(11年6月)高知以来になるのか」
検車場に戻ってきた佐藤は満面の笑みだった。小林が先行し、北津留が絶好の三番手。近畿勢が仕掛ける前に北津留が先まくりと理想的な展開になった。
「作戦は前から攻めたいという気持ちがあった。前を取って動かしてからという。だから早めに押さえにいった。(小林)大介にヤル気があったね。近畿がすんなりになれば他の選手にチャンスがないから。ノリ(飯嶋)が俺のところに飛び付こうとして凌げたし、俺の後ろに入ったのも見えた。あとは中を割られないようにだけ気をつけた」
即席タッグの北津留や初日特選、優秀で走った小松崎大への感謝も口にした。
「今回は(北津留)翼のデキが良かった。前日からの流れもあったし。他の地区の僕が付いたのにありがたいですね。今日で言えば翼、それまでは(小松崎)大地も頑張ってくれた。競輪はラインを大事にしないといけない」
佐藤の目は更なる先を見据える。
「今後はG1も勝ちたい。G1を獲りたいという希望です。今の競輪は勝たないと印象に残らないし、評価されないから」
来月の18日から始まる高松宮記念杯、さらには7月の寬仁親王牌へ向けて、佐藤の再進撃が始まる。
三番手の好位から先まくりを打った北津留は最後佐藤に交わされ、07年11月以来の記念Vとはならず。
「力がなかったですね。限界でした。でも上の人たちと走って2着だったし、別府(全プロ)からいったら、8か9着のオンパレードかと思ったけど、二次予選の森山(智徳)さんの走りで気持ちが入りました。森山さんの分もという気持ちで。それが昨日、今日の結果につながりました」
稲川は直線鋭く伸びたが3着が精いっぱい。
「見せ場を作らないとダメでしたね。状態はまだまだやし、修正できるところがあるのは収穫です。宮杯に向けて状態を上げていきたいです」
地元で唯一人決勝へ進んだ飯嶋は8着に終わった。
「小林さんの気持ちに応えられなかったし、残念でした。勝ちパターンが少ないので、しっかりと脚をつけてそこを今後の課題にしていきたいです」
男気先行を見せた小林だが、シンガリ負けに。
「優秀のレースもあってモヤモヤしてた。それでも今日も飯嶋が付いてくれたし、先行する気持ちが強かったです。飯嶋に迷惑かけたし、申し訳ないです」
稲川を追った村上は4着。
「(小林に)気合負けしました。(逃げるのは)さすがの判断ですね、やっぱりG1の決勝に乗る選手ですから」