悲願叶いG1初戴冠
ゴールした瞬間右手人差し指を高々と上げて勝ち誇った。前日に「33歳でピークがくるって言ってて、(34歳になる前)最後にG1を獲るチャンスが来ました」と語っていたが、園田はそれを有言実行の快勝で見事にタイトルを呼び寄せた。
「師匠(吉岡稔真氏)に散々迷惑をかけてきて、自分の中で33歳で(タイトルを)獲るって最後の挑戦で獲れたので人生計画通り、とりあえずは師匠に恩返しができたかなと思います。家族に散々迷惑をかけてきたので、嫁さん(良恵)にありがとうと言いたいです。普段は言えてないので」
今年は全日本選抜、高松宮記念杯と準決勝まで進み状態も良かった。前日に「ここまでは準決で落車とかあったんですけど、なければやれるとは思ってました」と言ったのは本心からだったのだろう。強気なスタイルでこれまで落車もあったが、G1決勝の舞台でも迷わず最後は突っ込んだ。
「大塚(健一郎)さんや小倉(竜二)さんが自分に連日アドバイスをくれて色々と勉強になったので、それを参考にしてレース中ぶっつけ本番で考えながらやってました。的確なアドバイスをくれたので、それを頭に入れながら走ってました。(最後は)もうどんな展開であれ、内側をぶっ込む(突っ込む)つもりでいたので、全然恐怖心はありませんでした」
悲願のタイトルを奪取しても変わらず突き進み、園田スタイルを貫く。
「いつも通り泥臭くタイトルホルダーとか意識せずに。強いタイトルホルダーではないですけど、自分らしい泥臭いレースを、どこからでも突っ込んでこれるような、今までにないタイトルホルダーになりたいと思います」
師匠の吉岡氏との絆の強さもうかがわせた“孝行息子”は次なる目標へ向けて挑戦を続ける。
「あとは師匠が獲れなかったオールスターが最大の目標なので、それまでは。それが一番孝行できることだと思うので。明確な目標(師匠)が目の前にいるので、G1が遠い所ではないと自分でずっと思って学生の頃からやってきたので。(自転車を)始めるきっかけが師匠だったので、それで弟子にしてもらって、G1獲るって約束で弟子にしてもらったので、とりあえず約束を果たせました」
関東SSコンビは惜敗
武田と神山の関東SSコンビは惜しくも2、3着に終わった。武田は「あのメンバーだと脇本君が先行では日本一ですし、まくりだと新田君が日本一になります。その中でこのメンバーだと総合力で戦うしかない。神山さんと作戦をしっかり立てて、早めに追い上げていったんですけど、力不足でしたね」と高松宮記念杯に続くG1連覇を逃し、悔しさを噛み締めた。
神山も「あの形で武田君を抜くのは大変ですね。武田君が(番手から)出ちゃったら出ちゃったで大変なんで。あのメンバーであの攻防戦の中で、脚は残ってなかったです。その中で武田君と2、3着になれたのは頑張れたかなというのがあります」と振り返った。
北日本の先導役を担った新田だがシンガリ負けに終わった。
「行けるところはあったんですけど、仕掛けられなかったです。一瞬も逃しちゃダメですね。心技体を鍛え直します」
渡邉は6着に終わり、悲願のG1初戴冠はまたしてもならなかった。
「新田君の後輪だけ見てました。打鐘、ホームでそんなにスピードは上がってなかったので、新田君のダッシュ力なら出れたはずだし、北の4人で決まったと思うんですけどね。番手が僕だから安心して駆けられなかったというのもあるだろうし、そういう意味ではアシストできなかった」
今シリーズ仕上がり抜群だった脇本もタイトルへは届かなかった。
「組み立てが甘かったですね。(金子に)早めに追い上げて欲しかった」