• 福井記念GⅢ7/25〜7/28

後記 GⅢ 福井 07/25

気力で優り地元連覇

脇本雄太

脇本雄太

 中団4番手から渾身のまくりを放ち、ゴール寸前でアタマまで届いた3脇本雄太選手。地元ファンから大きな声援が飛ぶなか、脇本選手はガッツポーズでウィニングラン。

 宿敵ナショナルチーム同士の対決は、わずかな差で地元の脇本に軍配が上がる。「腰痛が再発したけど、今回は気持ちが強かったので」と強い精神力が優勝を呼び寄せた。「先手を取って自分のレースをしたかったけど、どうあれ力を出し切ろうと。親王牌のレースを皆見てたと思うし、思い通りのレースをさせてくれないだろうけどそこは気持ちで。去年もそうだったけど、楽でない所で結果を出せたのは大きいですね」。
 今年の前半は落車の怪我に苦しんだが、高松宮記念杯、そして親王牌は圧倒的な強さで決勝進出と一気に反撃態勢へ。これで初のG1優勝、さらにグランプリ出場も見えてきた。
 「親王牌は優勝したかったけど、次のオールスター、グランプリもあるんで。今回で少しずつ近づいたと思う。その前にサマーナイトがあるので、繋げるためにもしっかり調整します」
 大槻は目の前の大魚を逃し、天を仰ぐ。
 「夢を見ました、悔しい。早く踏んだら(脇本を)引き出してしまうんで、待ってから踏んだけど。もうこういうチャンスはないのに獲れなかった。悔しい…」
 対照的に早坂は力を出し尽くし、表情は晴れ晴れ。
 「脇本君はいつも受けて立ってくれるし、今回も自分がどれだけできるかだった。皆が勝ちにこだわっているだろうから、今日は僕も勝ちを狙って。タイミングもバッチリだったし、良いレースができた。力負けです。でも、やっぱり負けると悔しいですね」
 稲垣は手負いの今回は援護に徹し、後輩を称える。
 「6番を止めるので精一杯だった。普段ならそこで出る所だけど、今日は番手戦だったので我慢できたのは収穫です。今回は体調を崩したけど、そのなかでベストを尽くせたと思う。脇本君が勝ってよかった。僕は負けたけど満足です」
 森川は一発勝負に賭けたが、敵の好ブロックに沈む。
 「タイミングは良かったんですけど。あそこでバレなければ面白かったかも。相手が強かった」
 レース巧者の岩津だが、今回は珍しく見せ場なし。
 「先行しそうな所からだったけど。単騎のレースだったんで、皆が勝ちに行かないと難しい。脇本君も本来の仕掛けではなかったし。自分の流れにならなかった」

Race Playback

レース展開1
脇本雄太選手

レース経過

誘導員 : 市田佳寿浩

 号砲で森川が飛び出してスタートを取る。森川には柴崎が付けて中部コンビが前受け、早坂-大槻-明田の北日本勢で中団を形成、後方は脇本-稲垣-伊藤の近畿勢、単騎の岩津が最後方の並びで落ち着く。
 青板周回のバックから早くも脇本が上昇。3番手の外で止まって、早坂をけん制する。早坂の動きを警戒しながら脇本が打鐘過ぎに先頭に立つも、すかさず早坂もカマして出る。最終ホームで早坂が叩き切り、大槻、明田も懸命に続く。脇本は4番手で態勢を立て直す。後方8番手から巻き返した森川は稲垣の強烈なブロックで勢いが止まる。軽快に早坂が逃げるなか、脇本は最終2センターからまくり追い込み勝負。好スピードで前に迫った脇本が宮城両者をゴール前で捕らえ、地元記念連覇を達成した。番手絶好展開から追い込んだ大槻は惜しくも2着。逃げた早坂が3着に入った。

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