気力で優り地元連覇
宿敵ナショナルチーム同士の対決は、わずかな差で地元の脇本に軍配が上がる。「腰痛が再発したけど、今回は気持ちが強かったので」と強い精神力が優勝を呼び寄せた。「先手を取って自分のレースをしたかったけど、どうあれ力を出し切ろうと。親王牌のレースを皆見てたと思うし、思い通りのレースをさせてくれないだろうけどそこは気持ちで。去年もそうだったけど、楽でない所で結果を出せたのは大きいですね」。
今年の前半は落車の怪我に苦しんだが、高松宮記念杯、そして親王牌は圧倒的な強さで決勝進出と一気に反撃態勢へ。これで初のG1優勝、さらにグランプリ出場も見えてきた。
「親王牌は優勝したかったけど、次のオールスター、グランプリもあるんで。今回で少しずつ近づいたと思う。その前にサマーナイトがあるので、繋げるためにもしっかり調整します」
大槻は目の前の大魚を逃し、天を仰ぐ。
「夢を見ました、悔しい。早く踏んだら(脇本を)引き出してしまうんで、待ってから踏んだけど。もうこういうチャンスはないのに獲れなかった。悔しい…」
対照的に早坂は力を出し尽くし、表情は晴れ晴れ。
「脇本君はいつも受けて立ってくれるし、今回も自分がどれだけできるかだった。皆が勝ちにこだわっているだろうから、今日は僕も勝ちを狙って。タイミングもバッチリだったし、良いレースができた。力負けです。でも、やっぱり負けると悔しいですね」
稲垣は手負いの今回は援護に徹し、後輩を称える。
「6番を止めるので精一杯だった。普段ならそこで出る所だけど、今日は番手戦だったので我慢できたのは収穫です。今回は体調を崩したけど、そのなかでベストを尽くせたと思う。脇本君が勝ってよかった。僕は負けたけど満足です」
森川は一発勝負に賭けたが、敵の好ブロックに沈む。
「タイミングは良かったんですけど。あそこでバレなければ面白かったかも。相手が強かった」
レース巧者の岩津だが、今回は珍しく見せ場なし。
「先行しそうな所からだったけど。単騎のレースだったんで、皆が勝ちに行かないと難しい。脇本君も本来の仕掛けではなかったし。自分の流れにならなかった」