• 小松島競輪場開設68周年記念阿波おどり杯争覇戦7/5〜7/8

後記 GⅢ 小松島 07/05

牛山貴が直線強襲

牛山貴広

牛山貴広

 鮮やかな直線強襲劇で、復活の記念Vを遂げた牛山選手。優勝カップを手にし、引き締まった表情を見せた。

 逃げる三谷を1センター、4番手から山田がまくりに行くが車が出ない。天田、太田の巻き返しも届かず、三谷マークの村上、山田後位から外を回した守澤の優勝争いかと思われた。その両者の争いに割って入ったのは牛山だ。天田の内に切り込むと、そのまま中バンクを鋭く伸びて横一線の優勝争いを制した。
 「前はどうなってたんですか? 4コーナーで前を見たら遠かったし、抜けた感じはなかった。ハンドル投げてたし、ゴールしても声がかからなかったんで。お客さんも買ってなかったんでしょうね」
 昨年6月の富山で記念初優勝を飾ったが、8月広島の落車で左足ふくらはぎを肉離れ。さらにコンパートメント症候群(患部の血行障害や神経麻痺)を起こしたことで、復帰まで3カ月近い時間を要した。
 「復帰してからなかなか調子が戻らなかったけど、3カ月くらい前から戻って来た感じはあった。やっと結果が出てよかったです。一時はマズいな。何をやってもダメだなって感じだったけど、今は戦えるなって気持ちがある」
 このあとは青森F1を走ってオールスター。復調した牛山がG1でも輝きを取り戻す。
 三谷マークの村上は2着で大会連覇はならず。3コーナーで山田と接触、内から来た野田とからんだのも痛かった。
 「(三谷が)かかっていましたし、しっかりと止めようと思いました。(山田)ヒデも強いので来ますよね。自分がもう少し引き付けてヒデの体に合わせるように対応できればよかったけどタイミングが悪くて接触してしまった。残念ですけどまた頑張ります」
 山田マークから外を回した守澤にも優勝のチャンスはあった。
 「こういう展開をモノにできないとダメですね。内でガシャンってなってるのを見て、ちょっとだけバック踏んだ。優勝を意識して力んじゃったのもありますね。これは(優勝が)あると思ったけど、情けない」
 レースの主導権を握ったのは三谷だった。
 「なんだったら(太田と)やり合ってもいいかなってくらいの気持ちでいたんですけど。来なかったので踏みました。みんなかかっていたって言いますけど、自分の中ではもうちょっとって感じですね。でも動けてはいたので悪くはないと思います」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 堤洋

 天田がゆっくりと踏み上げて正攻法の位置へ。後位に牛山が続き前団。以下隊列は太田―小倉、三谷―村上、単騎の野田、山田―守澤で周回を重ねる。 レースは青板の2コーナーから動く。山田、三谷の順で動き誘導員後位が入れ替わる。三谷は別線の反撃がないとみるや、打鐘の3コーナーで誘導を降ろし先行態勢へ。山田が4番手で天田は6番手。太田は動かず8番手で最終ホームを一本棒で通過。山田が1センターから踏み上げるが、前団をまくれない。すると、近畿勢を追った野田がインを突いて村上と2センターで絡む。併走のまま4コーナーを回った村上が直線で追い込むも、山田の仕掛けに乗った守澤、空いた中のコースを伸びてきた牛山でゴール前は横一線。勝敗の行方は牛山に軍配が上がった。

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