GⅠSPECIAL Inside report GⅠ 弥彦 07/17
伏兵、園田匠のG1初制覇で幕を下ろした寛仁親王牌。九州から久しぶりにタイトルホルダーが誕生した。現場で観戦していた吉岡稔真氏は愛弟子の優勝を誰よりも喜んだ。「努力を怠らなかった結果でしょう。(12年の)熊本ダービーぐらいの頃からチャンスはあると思ってました。タイトルは2つ獲って1人前だから頑張ってほしい」とさらなる活躍を期待して、温かいエールを送った。脇本雄は抜群の仕上がり
今大会で強烈なインパクトを残したのは脇本雄太だろう。連日、圧巻のパフォーマンスでファンを魅了した。
「直前に合宿とジャパントラックカップがあったし、競技と競輪の自転車は違うので感覚のズレが生じていたんですが、セッティングをいじって、日に日に良くなりました。怪我の影響はもうないし、力は出し切れました」
新田祐大は高松宮記念杯の準決勝で落車負傷。復帰戦となった今シリーズは2139着で決勝に進出したが、1度も最終バックを取れなかった。
「脚的にはいつも以上に、この前の高松宮記念杯が終わってから時間ができたので良い仕上がりでした。でも、道中先頭になることがなかったので、ちょっと自分らしさを出せなかった開催でしたね」
平原康多は練習中の落車で手首を骨折。急きょ、欠場となったが、その分まで武田豊樹が奮闘。4日間、ラインの先頭で戦って準Vの好成績を収めた。
「膝の調子がずっとあんまり良くなかったんですけど、練習はやってきましたし、連続してG1なんで初日から気持ちを切らさず集中して走りました」ラインの厚みを増した北日本勢
決勝に4名勝ち上がった北日本勢。優出した以外の選手も健闘した。早坂秀悟は9181着とシリーズ2勝を挙げた。
「初日に失敗したけど、2日目も落ち込まずに山崎(芳仁)さんとのレースで立て直せたし、修正しながら走れました。最終日は先行にこだわらずいこうと思っていたし、ちょうどそういうこともしないといけない狭間の時期になっている」
高橋陽介は2365着と好走。ビッグ戦線で戦える手応えをつかんだ。
「思ったより脚は通用して、調子も良かっので、それなりの結果かなと思います。全部どこかでは仕掛けられたんで。今後はもう少し前に攻めるようにしないと。やっとギアとセッティングにも対応できてきてるんで、位置取りや戦法も考えていきたい」
佐藤朋也も2勝をマーク。ビッグレースで久々に存在感を示した。
「運が良かった4日間でした。初日がなければ最終日まで走れたか分からないんで、初日の着が大きかった。脚が1、2カ月で急激に良くなった。1月が全然ダメで、セッティングや練習方法、フォームも全部変えて、それが良い方向になってきています。あとは自分で展開を作りたいですね」近藤隆が初のG1で躍動
毎年フレッシュな若手機動型が数多く参戦するのが今大会の特徴だ。近藤隆司は予備からの繰り上がりでG1初出場。二予Bは先行策で3着。惜しくも準決勝進出は逃したものの、最終日は逃げ切りでG1初勝利を飾った。
「初めてのG1でいろいろ勉強になりました。3日目は競って、まったく勝負にならなかったし、後ろに付いてもらえるありがたみが分かりました。まくりも自信はあったのに通用しなかった。これからは先行も見せていかないと。トップスピードの違いを感じたし、もっと力をつけないとダメですね」
ビッグ初出場となった谷口遼平は初日特選からのスタート。4日間大敗を喫したが、3日目、最終日は最終バックを取った。
「もう少し上手く走れば残れたかもしれないけど、余裕がなかった。脚もなかったですね。今回は(竹内)雄作さんとか脇本(雄太)さんを見てると上位の人とはまだまだ力が違うんで、あんな走りができるようにやっていきたい。先行して残れるように脚をつけていかないと。身に染みた4日間でした」
今期S級初昇格を果たした新山将史はトップクラスの洗礼を受けた。
「全然ダメでしたね。練習不足でフワフワしてました。緊張して自分を見失ってしまいました。自分の走りができれば良いんですけど、脚に自信がないんで。何やりたいのかもっと明確にして練習します。もっと力付けてもう1度G1に出れるように」