後記 GⅢ 福井 07/25
今シリーズの出場はかなわなかった地元の精神的支柱、市田佳のバースデーでもあった決戦の最終日。地元記念連覇の使命を背負った脇本雄が、勝たなければならないここぞのシーンで気持ちを前面に押し出し結果に結びつけた。
「どういう形であれ優勝。脚では完全に負けているんで、地元の意地で気持ちだけでも負けないように」と、早坂秀を意識ながら、準決あとに気合の入れ直し。過剰なまでに自分自身を追い込む脇本だけに、プレッシャーに打ち勝っての優勝は大きな価値がある。
最終日を逃げ切ってシリーズ3勝目を挙げた野原雅の悔やまれる準決は、経験の差が出た。
「すんなりの3番手だったんで…。べつに勝ちを意識しすぎて仕掛けが遅くなったわけではない。先に仕掛けるっていう考えがなかった。あそこで後ろを見ていた自分が恥ずかしい…。次は同じ失敗をしないように。ただ準決だといつもは駆けて終わりみたいな感じがあった。それが初めて自分で勝負しにいったのはいい経験になった」
野原同様にこれからの近畿を担う存在へとステップを踏んでいる栗山俊。前回の寬仁親王牌は3日目からの補充も初めてG1の大舞台。それを糧に今シリーズは4日間すべて主導権を握って出た。
「駆けるだけだったら、やろうと思えば誰でもできますから。でも、いい勉強になりました。展開はしっかりと作れているんで、あとは脚ですね。もう3、4日目になると脚がヤバい。上を目指すには4日目でも、ちゃんと脚が残ってないと。(稲垣裕と一緒に)走ったおかげで、声を掛けてもらって、アドバイスをもらったりもした。練習をしっかりとしないと」
予選スタートからただひとりファイナルに進出した森川大は、3場所前の松阪F1でS級初V。勢いに乗って、記念初優出を果たした。
「なにか変えたわけではないけど。自然と成績と点数が上がってきた。去年のA級で勝ちグセというか、しっかり自分のレースができていたのが、いまにつながっている」